【競輪】これぞ村上義弘『魂』の走り

 名古屋ダービーを制した村上義弘
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 「競輪記者コラム・仕事 賭け事 独り言」

 8~13日に行われた名古屋競輪「G1・第69回日本選手権」(ダービー)はバンク外も内もかなりの盛り上がりだった。売り上げは目標120億円を超えて127億3912万2000円。前年の京王閣(15年3月17~22日)と比較すると98・1%とやや減だが、最終日(13日)は競輪ファンが大好きな2段駆け(自力型の選手が2人で続いて走り、前を任された選手のペースが緩んだら、2番手回りの選手が他派を警戒しながら仕掛けること)になりそうな番組が多く、南関東勢が4車連係の3R、5車連係の5Rはともに前年比106%超とよく売れた。

 盛り上がった要因はバンク外にもある。多くのイベントを開催し、名古屋競輪場に足を運ばせる工夫を施していた。ミス日本グランプリ、チアドラゴンズなどは「目の保養」になるし、元競輪選手が出演したトークショーは「予想の参考」になる。そして、この日本選手権競輪の応援キャラクターに就任した、愛知県公認のアイドルユニット「OS☆U」(オーエスユー)も競輪ファンを魅了。20歳以上の7人を中心に開催中毎日、名古屋競輪場でミニライブやトークショーを行った。

 「OS☆U」は普通開催でも名古屋競輪場でトークショー、ライブ、競輪教室などで活動。だから、7人とも競輪にそこそこ詳しい。もちろん「OS☆U」のファンがかなり駆けつけていたが、そのファンも未確定車券2000円分で1票、名古屋競輪イメージソングのセンターポジション争奪戦に投票できるとあって、購入した車券を握り締めながら、彼女たちに声援を送っていた。こういう「車券(もしくは舟券、馬券)を売れる」アイドルを、各地の公営競技場で育ててほしいものだ。

 バンク内で「超」がつくほど盛り上がったといえば、やはり最終日(13日)の11R決勝戦。村上義弘(41)=京都・73期・SS=が、これぞ「魂の走り」というレースを魅せた。赤板(残り2周)で三谷竜生(奈良)が先行、2番手の川村晃司(京都)が最終ホームでまくる。3番手の村上はここから仕事をしまくる。まずは1角で中部勢の先頭を任された竹内雄作(岐阜)をブロック。次はバックで真後ろからまくってきた新田祐大(福島)を外に張る。直後に内を突いてきた岩津裕介(岡山)と競り合った状態で直線に入るが、村上は力強く踏んで1着でゴール。しかも、川村を2着に残した。

 この決勝戦、近畿勢の結束が固かったのはいうまでもないが、仕事しまくったうえ、最後はきっちり抜け出した村上はすごい。今年7月6日に42歳となるが、今年の競輪界も村上が間違いなく盛り上げるだろう。(関西競輪担当・森田新吾)

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