【ボート】教えて江口名人!桐生攻略法
「赤城雷神杯・G1」(15日開幕、桐生)
桐生ボートでは15~20日に開設57周年記念「赤城雷神杯」が開催される。今回はあまり桐生になじみのないファンのために、群馬が誇る新名人・江口晃生に桐生水面の攻略法を伝授してもらった。今節の舟券作戦に、大いに参考になるはずだ。また注目選手は、当地SG2連勝中の瓜生正義。もちろん、賞金王・山崎智也もホームなら負けられないところ。池田浩二や太田和美の名前もあり、見どころ満載の開催となることは間違いない。
今回の講義のポイントは、大きく2つに分けられる。
(1)桐生の仕上げを見抜くポイント、そして
(2)桐生で強い選手のタイプだ。
では早速、(1)から聞いてみることにしよう。
「桐生はエンジンの優劣の差が大きいからね。やっぱり、“黄色プレート”を引いた選手は優位だよ」。
桐生では、勝率上位6機の番号プレートが黄色になっている。現行エンジンは昨年末から使用されているが、その勝率は「信頼していい」と言い切る。では逆に“黄色プレート”を引けなかった選手はダメなのか?
「桐生の整備士さんはレベルが高い。大きな部品を替えたエンジンが、化けるケースはあるね」
大きな部品とは、クランクシャフトやスリーブ(発表ではピストン2・ピストンリング4・シリンダーケース、となることが多い)あたり。思い切った“大手術”が実を結ぶケースは、桐生ではよくあるようだ。
では、エンジン以外のポイントはどうだろう。
「半周ラップがいい人はレース足がきていると言えるね。それと、展示航走で乗りやすくしている人もいい状態。特に2Mで、舟が暴れずに走れていればいいね」
全国どの場でも発表される「展示タイム」以外にも、桐生ではさまざまなタイムが発表される。その中で選手が重視しているのが「半周ラップ」のようだ。そして、展示航走ではスムーズに回れているかどうかをチェックしたい。
これで、舟券作戦での“桐生の仕上げ”はバッチリ。では(2)に移ろう。桐生で強い選手とは?
「桐生が得意な人は、いつ来ても強い印象がある。瓜生(正義)君なんかはその代表格だし、去年の赤城雷神杯を勝った斉藤(仁)君もそう。それから辻(栄蔵)君。彼も、いつも暴れているイメージがある。このあたりが“黄色プレート”を引くようだと、手に負えなくなるよ」。
3人ともドリームメンバーに入っているのは、あくまでも偶然。この質問に“今節のメンバーの中では?”という聞き方はしていない。自然に名前が挙がったというあたり、“敵”として強烈な印象があるのだろう。
名前は出なかったが、要注意すべきタイプの選手ということでまとめてもらうと‐
「桐生は気圧が低いから行き足が仕上がりにくく、Sを決めづらい。その中で、序盤からバシッとSを行ける選手は怖い」
ということだ。
一方の地元勢。江口から注目として名前が出たのは、秋山だ。
「ゴールデンウイーク(GW)開催では、すごい足の出方をしていた。ターンの鋭さもそうだし、本当に強くなった。以前よく見られた、Sのポカもだいぶなくなったしね。GWは僕が優勝したけど、秋山が優出していたらわからなかった」。
もちろん、江口自身もドリームメンバーとして名を連ね、V候補の一角だ。「GWでは、秋山やトモヤ(山崎)に仕上げやターンでの差を見せつけられた感じはする。でも何とか食らいついて、名人戦の時みたいに『面白かった』って言ってもらえるようなレースをしたいね」。名人の奮起に期待しつつ、舟券はバッチリ決めよう。