【ボート】市川哲也が復活の狼煙~GWの宮島で通算V102達成!

 「若葉賞」(3日、宮島)

 期またぎの6日間開催となったボートレース宮島のGWシリーズは市川哲也(55)=広島・67期・A1=がインからコンマ06のトップSでイン快勝。地元宮島ではG15回を含め25回目、通算ではSG4回を含め102回目の優勝を飾った。

 広島支部の精鋭がズラリそろった優勝戦。現在もSGを主戦場としている山口剛(41)、辻栄蔵(49)らを相手に市川が貫禄を見せつけた。予選は2位通過、準優で1位の辻が2着になったことで巡ってきた優勝戦の1号艇。持ち前のS力を生かし、誰にもまくらせず差させず、完璧な逃げを決めた。昨年7月宮島以来の優勝を決めた市川は「嬉しいけど、意外と淡々と冷静に行けた」とニッコリ。「今節はA2勝負できたんで、最初の3日間はそれだけを考えていた。A2をクリアできて肩の力が抜けた」といつもよりもリラックス。シリーズ終盤に流れを引き寄せ頂点に立った。

 前期はもがき苦しみ、3月住之江周年ではF。4月初旬の勝率は5・20で、29年間維持し続けたA1はおろか、B級落ちの窮地に立った。4月1節目の宮島では予選トップも準優2着で優勝戦は5着。江戸川では準優6着。宮島入りした時点の勝率は5・42とA2ボーダー。3日間を②①①④着で乗り切り、勝率5・50でA2残留を果たした。ペラ調整時には後輩の谷勝幸(51)がつきっきり。「谷さまさまです。自分一人でこのくらいの調整ができないといけないんですけどね。今節は前検から伸びていたエンジンで、うまく調整できました」と後輩への感謝の言葉も忘れなかった。

 優勝戦後の水上パレードでは、スタンドを埋め尽くした地元ファンから「てっちゃん、おめでとう」の祝福コールが鳴りやまず、最後の最後までファンに手を振り続けた。「お客さんがいっぱいの中での優勝。やっぱりこうでないといけませんね。A2になるので大きなことは言えませんが、もうちょっと頑張ってみます」とはにかみ笑顔。輝かしい実績を誇ることなく、常に目の前の一走に全力を傾ける姿勢はデビュー当時と変わらない。102回目のこの優勝は、市川哲也伝説の新たな始まり。そう感じさせた優勝戦だった。(宮島担当 野白由貴子)

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