【悲報】桜前線の終わりを誰も知らない!日本一遅い桜まつりはGW明けに開催

「第38回釧路町桜まつり」(2019年)
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 北海道東部のまち、釧路町では5月14日に「第42回釧路町桜まつり」が開催される。東京の開花宣言が全国ニュースをにぎわせた3月から2カ月後。大々的報じられたサクラ前線のニュースも、その最後はたいして取り上げられることもなく、ひっそりと終わりを迎える。

 しかし、サクラ好きの間では知る人ぞ知るお祭り。釧路町桜まつり実行委員会事務局長の佐々木俊司さんは語る。

 「こんな時期に見られるサクラを珍しがって遠くからも観光客が来てくれます」

 8月の最高気温の平均が21.5度の釧路地域。平年のサクラの開花日は5月16日で、根室地域とともに桜前線の終着点となる。桜まつり会場の別保公園は、山の陰にあるからか、そこからさらに1週間ほど遅い。サクラの種類も釧路ならではのもので、エゾヤマザクラ、チシマザクラ、クシロヤエザクラの3種類が約700本植えられている。

 「日本一遅い桜まつり」と冠したきっかけは約10年前。今では釧路町観光協会と姉妹交流提携をしている沖縄県今帰仁(なきじん)村で「日本一早い桜まつり」を開催していることを知った実行委員会が、他の地域との差別化を図るために「日本一遅い桜まつり」と銘打った。

 新型コロナウイルスが猛威を振るう前の2019年には、釧路町の人口の6割以上となる、1万2000人もの人が訪れた人気のイベントだ。

 新型コロナウイルスの影響で39回、40回は2年連続で中止となり、昨年は桜のフォトコンテストとライトアップのみ。ようやく今年は大体的に祭りを開催し、地元の郷土芸能「たこおどり」や「餅まき」などのステージイベントなどが行われる。

 ただ「日本一遅い」という看板を守れるのか、佐々木さんがやきもきすることがある。それは温暖化の影響で年々桜の開花時期が早まってきているということ。例年、桜の満開の時期にあわせ5月末に開催してきたのだが、4年前から1週間早めたという。今年も桜の開花がどうなるのかだけが、悩みの種である。実際、今年は14日には函館で、15日には札幌でソメイヨシノの開花が発表され、いずれも過去最速を記録した。

 「早い」ことが何かと良しとされる世の中、「遅い」ことを守るのも容易ではない。

 ◆  ◆

 釧路町桜まつり実行委員会(釧路町商工会内)

 電話0154・36・2133

(デイリースポーツ特約・遠藤萌美)

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