新しい教科書「すぐ読んじゃう子」と「絶対開かない子」の意外な共通点 タイプ別“やる気スイッチ”の押し方
新学期が始まりましたね。ピカピカの真新しい教科書を持ち帰ってくるこの時期、ご家庭でこんな光景は見られませんか?
「国語の教科書の物語、面白くて最後まで読んじゃった!」
そういうお子さんは、結構いらっしゃるかもしれません。
私が知っているお子さんの中には、数学の教科書をもらって数日で読んでしまった子もいます。「全部読み終わっちゃったんですけど、次は何したら良いですか?」と聞かれてびっくりした覚えがあります。
ちなみにうちの娘は「道徳の教科書を読むのが一番好き」だそうです。なんででしょう(笑)
一方で…。「ただいま!」と同時にカバンをドサッと放り投げ、教科書には目もくれずに秒速でゲーム機の電源をオン。「うちの子なんて、私が言わなきゃ絶対に教科書なんて開かないわよ…」とため息をついているお母さん。新学期早々、「いつ宿題やるの?」と声をかけることに疲弊していませんか?
◆「ゲームばかりの子」も、実は学習エンジンを持っている
実は、この「新しい教科書をすぐ読んじゃう子」と「絶対開かない(ゲームやYouTubeばかりの)子」には、驚くべき共通点があります。
それは、「知りたい!」「クリアしたい!」という強力な学習エンジンを、どちらの子も間違いなく持っているということです。
「いやいや、うちの子はゲームへの意欲だけで、勉強の意欲なんてゼロですよ」と思うかもしれません。しかし、ゲームの複雑なルールを瞬時に理解し、攻略法を熟読し、何度もゲームオーバーになりながらも作戦を練ってボスを倒す…。これって、実は高度な「PDCAサイクル」を自ら回している状態なのです。
つまり、子どもは本来、全員が「意欲さえあれば自分で学べる力(自走する力)」を持っています。今はただ、その対象が「勉強」ではなく「ゲーム」に向いているだけなのです。
◆親の「関わり方」が変われば、子どものスイッチが入る
では、どうすればその強力なエンジンを「学習」へとスライドさせることができるのでしょうか?
答えは、親が無理に「勉強しなさい」と管理し、強制するのを手放すことです。
親がガミガミと先回りして指示を出すと、子どもは反発し、せっかくの自走エンジンがエンストしてしまいます。必要なのは、親が教え込むことではなく、「仕組み」と「関わり方」を変えることです。
・自分で決める仕組みづくり 親がスケジュールを決めるのではなく、子ども自身に計画を立てさせ、失敗も含めて見守る。
・子どもの性格タイプに合わせた「声かけ」の工夫 親が良かれと思ってかける言葉も、子どもの性格によっては逆効果になります。子どもの性格タイプに合わせて「やる気スイッチ」を押す言葉を選びましょう。
【負けず嫌い・ゲーム好きタイプ】
×「早く宿題やりなさい」
〇「よし、15分タイムアタックだ!昨日の自分に勝てるかな?」
(※目標やゲーム性を持たせることで一気に燃え上がります)
【理由が知りたい・じっくり思考タイプ】
×「つべこべ言わずに、とりあえず覚えなさい」
〇「この問題、すごく難しいね。どうやって解いたのかお母さんにも教えて?」
(※無理に急かさず、本人の探究心を刺激したり、先生役を任せると得意げに語り出します)
【気分屋・楽しいこと好きタイプ】
×「ちゃんと机に向かって座りなさい」
〇「今日はリビングと自分の部屋、どっちの『カフェ』で勉強する?」
(※単調な作業が苦手なので、環境や気分に変化をつけることでスイッチが入ります)
失敗や学習の停滞も、子どもが「自分に合ったやり方」を見つけるための大切な成長プロセスです。親が「応援」に徹することで、親子喧嘩も減り、家庭に平和が訪れます。
今年こそは、自分から進んで勉強してほしい-。そう願うなら、まずはこの春、お母さんの「関わり方」から少しだけ見直してみませんか?子どもが本来持っている「自分で学ぶ力」を信じて、最強の伴走者になってあげましょう!
<プロフィール>
鈴木詩織 受験コーチング協会代表理事。中学受験・高校受験・大学受験を目指す親子向けの受験コーチングをオンラインで行う「おうち受験コーチング」のサービスを展開。4000家庭以上の親子の受験に向き合う。著書に『おうち受験コーチング』『子どもが自走する言い換えビフォーアフター』共著に『おうちエニアグラム』いずれもみらいパブリッシング。
(受験コーチング協会代表理事・鈴木詩織)
