注目集めるヤギ除草「ウメェ~」食の好みを把握して派遣 エコでかわいく癒やされる利点も

ヤギを使った除草の注目度が高まっている。

ソーラーパネルの設置、人口減少による空き地の増加、農業従事者の高齢化や後継者不足により土地の管理が難しくなるケースが増えている。2011年頃から広まったヤギによる除草だが、草の好き嫌いなど個体差によるコントロールが難しく一般的な普及はまだまだ、といったところ。そこで登場したのが、牧場「湯河原・スピルバーグ・ヤギポート」が生える草や環境を見てぴったりのヤギを派遣する「草刈りヤギちゃん」サービスだ。提供する株式会社むじょう代表の前田陽汰さんに話を聞いた。

◇ ◇

--機械とは違う、ヤギならでは利点とは?

前田:機械除草では「刈る→集める→処分する」といった複数の工程が必要ですが、ヤギには不要。ツル性の植物や低木など、機械では処理しづらい植物も食べるので、斜面など複雑な地形にも対応できます。ヤギのフンは土に還り、土地そのものを育てる役割を果たすサイクルが出来上がるのも、ヤギならではの特長。ヤギが草を食べる風景も、地域の方から喜ばれることが多いんですよ。

--派遣されるヤギにストレスは無いんでしょうか?

前田:当社が派遣するヤギは普段は観光牧場で暮らしているので人や移動に慣れていて、スタッフや訪問者に過度な警戒心を持つことはありません。新しい場所に着いてから最初の半日~1日ほどは周囲を警戒して探索する行動が見られますが、ほとんどの個体はすぐに通常の採食行動に戻ります。

--個体ごとの特性に合わせて除草を行うとのことですが、具体的には?

前田:ヤギにも性格や好みに違いがあります。ツル植物をよく食べる個体や、イネ科の草を好む個体など。活発に動き回る性格のヤギは広範囲の除草に向いているし、落ち着いたヤギは人が多い場所でも安心。体格や角の有無も重要です。最適なチーム編成を行い、それぞれの土地に最も適したヤギを派遣しています。

--これからの目標は?

前田:ヤギ除草を通じて自治体や企業と連携し、自治体職員さんや草刈りを担当する職員さんの業務負担を減らしていくのが目標。人口減少で管理が難しくなる土地も、ヤギさんの力を借り維持していけたら土地の可能性が残ります。

草刈りは、人と自然の関係を優しく繋ぎ直す行為。ヤギを通じて維持管理だけではない価値を地域に提供できるよう、今後も挑戦を続けていきます。

◇ ◇

ヤギが食べきれなかった草は、人間が処理する補償もついているそう。循環可能かつ、かわいくて癒されるヤギ除草。これからの普及に期待したい。

(よろず~ニュース特約・米田ゆきほ)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

サブカル系最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス