作家・山本弘さん68歳で死去「妖魔夜行」シリーズ、「と学会」初代会長 「娘」が報告、18年に脳梗塞
作家・ゲームデザイナーの山本弘さんが3月29日に誤嚥(ごえん)性肺炎のため亡くなっていたことが4日、分かった。68歳。山本さんのX(旧ツイッター)に「山本弘 娘」名義で掲載された文書で報告された。
文書によると山本さんは3月29日、午前10時12分、誤嚥性肺炎のため亡くなった。2018年に脳梗塞を発症後は周囲に支えられながら闘病。「穏やかに旅立ちました」と伝えた。文書の全文は以下の通り。
◆ ◆
去る3月29日午前10時12分 山本弘は誤嚥性肺炎のため永眠いたしました
2018年に脳梗塞を発症後 皆様の応援に支えられながら6年に渡る闘病生活を送った末 穏やかに旅立ちました
好奇心旺盛だった故人は 良き仲間にも恵まれ 自分の好きなことを全力で楽しんでいたと思います
生前中のご厚誼に深く感謝申し上げると共に 謹んでお知らせいたします
葬儀につきましては近親者のみで執り行いました 故人の希望もあり 香典 供花 供物 弔問 弔電につきましてはご辞退申し上げます
これまで応援してくださった読者の皆様と 支えてくださった全ての関係者の皆様に 深く感謝申し上げます
令和6年4月4日
山本弘 娘
◆ ◆
山本さんは1956年京都府生まれ。京都市立洛陽工業高等学校電子科卒業。78年、「スタンピード!」で第1回奇想天外SF新人賞佳作に入選。87年、ゲーム創作集団「グループSNE」に参加し、88年「ラプラスの魔」で小説家デビューした。1990年代には「妖魔夜行」シリーズが人気に。2003年発表の「神は沈黙せず」が第25回日本SF大賞の候補に、07年発表の「MM9」が第29回日本SF大賞の候補となった。06年発表の「アイの物語」は第28回吉川英治文学新人賞ほか複数の賞の候補となった。11年に「去年はいい年になるだろう」で第42回星雲賞(日本長編部門)を、16年には「多々良島ふたたび」で第47回星雲賞(日本短編部門)をそれぞれ受賞した。15年には「僕の光輝く世界」が本格ミステリ大賞候補となっている。また、ゲーム制作、漫画原作などもてがけた。
作家として活躍する一方で、「トンデモ本」などを楽しむ「と学会」の初代会長を務めたことでも知られる。「と学会」は公式X(旧ツイッター)に眠田直氏名義でコメントを掲載。「と学会員も早すぎる死に混乱しております。今はただ、ご冥福をお祈りします。」と初代会長を悼んだ。
(よろず~ニュース編集部)