漫画「世界の歴史」ウクライナ侵攻を急きょ収録 国連の価値が後退 ギリシャの経済破綻やむなくカット

 角川まんが学習シリーズ『世界の歴史』(KADOKAWA)の最新刊『世界の歴史 別巻 まるわかり地域史』が6月29日に発売される。同シリーズを監修した東京大学名誉教授の羽田正氏と担当編集の宮野真理子氏がよろず~ニュースの取材に応じた。

 古代から現代までの重要事項を1冊に凝縮した。5つの地域史が学べる「地域史ダイジェスト」の終盤では、今年2月のロシアによるウクライナ侵攻を収録。同書はほぼ完成していたが、収録が急きょ決まり、関連箇所にも手を加えた。羽田氏は、国際連合の安全保障理事会がうまく機能していないことから同機関の描き方を大きく変えたことを明かした。

 第2次世界大戦の勃発を防げなかった反省を踏まえ設立された国際連合を肯定的に描いていたが、課題を挙げる「国連の課題」のトピックを加えた。宮野氏は、「国連の働きを信じて疑わなかった立場だったんですけど、先生に『戦後すぐにできたものを75年以上同じ組織で続けているのはおかしいこと』と言われ納得しました」。羽田氏も「世界はどんどん変わっていく」とうなずいた。

 この変更に伴い、ページ数の都合で「ギリシャの経済破綻」をカット。販売を公表する約1カ月前の出来事だった。宮野氏は「ずっとストーリーがつながっているのでどこを省くか、すごい苦労しました」と振り返った。

 同書では「なんでも!世界の歴史ベスト3」と題し、「ラブラブカップルベスト3」「いいコンビベスト3」など独自で決めたランキングを掲載。読者が親しみやすいようなテーマで構成した。羽田氏は「この本がスタートラインとなって歴史を好きになってもらえれば」と期待を寄せた。

(よろず~ニュース・松田 和城)

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