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狂気の祭典「クソゲーオブザイヤー」 21年の“栄冠”めぐり戦い?完全度が高い推薦者の選評 まるでプレゼン

皆さんは「クソゲー」と言う言葉をご存じだろうか。1980年代に漫画家のみうらじゅんがファミコンソフト「いっき」に放った言葉が最初という説が有力で、のちにつまらないゲーム、クソなゲームを表す言葉として広まった言葉である。

単純に内容が薄すぎてつまらない、バグが多過ぎて完成品とは呼び難い、ゲーム内容やストーリーが破綻しているなど、一言にクソゲーと言っても多種多様。普通に考えれば見向きもされない様なカテゴリーのはずであるクソゲーだが、世の中には一定数のクソゲーハンター達が存在し、自らが人柱となり「クソっぽい空気のするゲーム」を進んで購入し、プレイを楽しむと言ったユーザーまで存在する。クソゲーだけを取り上げた書籍「超クソゲー」シリーズはロングヒットとなっているし、最近ではクソゲー専門の実況動画配信者もいるほど。かくいう筆者もクソゲー愛好家のひとりであり、日々ゲームショップのワゴンセールに目を光らせ、獲物を獲得する日々を過ごしている。

そんなクソゲー界隈には毎年催されている"狂気の祭典"とも呼べるイベントが存在する。それが「クソゲーオブザイヤー(通称:KOTY)」だ。2004年頃から旧2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)内で始まった「今年一番クソだったゲーム」を論じ、大賞を決めるイベントである。さながら、今年一番クソだった映画を決める「ゴールデンラズベリー賞」のゲーム版と言ったところだ。

KOTYの大きな楽しみは選評。タイトル選定にあたっての推薦者の論評文の完成度が非常に高く、さながらプレゼンの様になっているのである。2007年のプレイステーション2用ソフト「四八(仮)」はホラーノベルADVなのに内容はコンビニの都市伝説本レベル。突如として画面がフリーズしてセーブがクラッシュするし、そもそもゲームがコンプリート出来ない仕様。おまけにクレームを出したらメーカーが修正版、詫び状と一緒にハンカチを贈ってくる等、エピソードに事欠かないクソゲーだった。そのあまりに酷い出来に論評が盛り上がり、有志の作成した総評動画もニコニコ動画を中心に人気を集め、イベントそのものが大きな注目を浴びるきっかけになった。

2008年の「センター前キャッチャーゴロ」と言う迷言を生み出した「メジャーWii~パーフェクトクローザー~」、2010年の「レベルを上げて物理で殴れ」とRPGのファンタジー要素を全否定しているかのような扱いをされた「ラストリベリオン」も名クソゲー。プレイヤーがつまらないと思ったソフトのプレゼンをするというのも何だか矛盾しているが、そこがKOTYの一種のエンターテイメント性につながっている。みんなイベントの「あくまで客観的に評価し、つまらないゲームを罵倒するイベントでは無い」という趣旨にのっとり、愛を持った上で「このゲームはとてもつまらない」と酷評しているのだ。

近年、インパクトの強いクソゲーが減ってきたせいか今一つ盛り上がりに欠けていた感のあるKOTYだが、2020年「ファイナルソード」の登場で再注目。「ファイナルソード」は配信開始4日にしてBGM盗作が発覚(一部シーンのBGMが「ゼルダの伝説」の「ゼルダの子守歌」をほぼそのまま使用していた)し、一時配信停止となる離れ業をやってのけたクソゲーで、事前の宣伝等からも低クオリティな事が期待されていたが「プレイすると本当に低クオリティだった」とゲームファンのクソゲー熱をあおったのだ。

2021年度も様々なクソゲーがKOTYの大賞の座を狙っている。ゲーム業界としては喜ばしくない事だろうが、ゲームファンとしては動向が気になるものだ。なお筆者が推している大賞候補は「Urban Street Fighting」。

格闘ゲームなのだが、6キャラ中3キャラが見た目が違うだけの、所謂コンパチキャラ。トレーニングモードが存在せず、コントローラーひとつで2キャラとも認識してしまうバグがある等、およそ2021年に発売したとは思えないクオリティだ。この他にもいくつか大賞候補があり、大賞をせめぎ合っている。2021年度の栄冠(?)はどのタイトルに輝くのか、目を離せない。

(よろず~ニュース特約・橋本ダイスケ)

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