ピンク映画の新星・折笠慎也 25歳で自ら志願…一般作、CM出演 活躍の場広げても“愛”は不変

 ピンク映画の新星、俳優の折笠慎也(33)が1月中旬、都内で「ピンクゾーン3 絶倫!ラブロイド」DVD発売を記念してトークイベントを行った。昨年は同ジャンルの全26作品中7作、一昨年は38作品中15作に出演した売れっ子が、その信念をかいま見せた。

 16年「性鬼人間第一号~発情回路~」でピンク映画に初出演。18年「親父が愛した男たち」からゲイ作品にも挑む。男同士の三角関係を熱演した19年の「強がりカポナータ」は好評を集め、翌年に一般劇場での公開、今年の再上映に至った。

 その演技への思いはシンプルだ。

 「楽しいんです。苦しいこともあったんでしょうけど、撮影が終わると全部忘れます。楽しむことで、技術を超越したものが生まれると思っています。振り返っても、楽しい事ばかりですね」

 屈託のない表情や口調が印象的で、男女を相手にしてきた、ぬれ場に対する考えも嫌みがない。

 「女性はキレイにみせなきゃ、と気を使います。胸のもみ方も左右一緒にするよりも、左右交互にタイミングをずらすとか技術があるんですよ。男相手だと気を使わず、プロレスのような感じですかね。ロケ中、もし一般の方に見られてもプロレスやケンカの撮影だと思ってもらえる、かもしれません」

 会場に笑いを誘った折笠。俳優人生のスタートは早くない。87年6月8日生まれ、青森県青森市出身。小中学校では野球、高校ではラグビーに情熱を向けた。卒業後に上京し、石油会社で法人相手の営業を務めた。

 「仕事は楽しかったですよ。成績も良かった方でした。でも、飽きちゃったんですよ。飲食をやってみたい、と思ったんです。父親が青森でレストランを経営しているんですが、その影響かもしれません」

 3年ほどで会社を辞め、渋谷のカフェで働いていた22歳の時、転機があった。

 「お客さんに劇団の演出家の方がいて、舞台に誘われたんです。それまで、映画をたくさん見てきた方でもなかったんですけど、面白そうだと思いました。舞台は難しいけれど楽しかった」

 25歳で本格的に役者の道を志した。15年の映画「ローリング」で川瀬陽太の演技に衝撃を受け、川瀬が活躍していたピンク映画の世界に興味を抱いた。自ら志願して「性鬼人間-」への出演を果たした。一般作での出演も続いており、17年には初主演作「タクシー野郎 昇天御免」が話題を呼んだ。CM出演など、活躍の場は広がりつつある。

 それでも、ピンク映画への愛は不変だ。

 「3日だけだったり、撮影期間が限られ人員も少ない。僕も演じるだけではなく、自分で衣装を持ち込んだり、撮影を手伝ったりします。大変だけど楽しい。チームワークというか、映画を作る一体感が楽しいんです」

 照れや影を見せず、胸を張って楽しむことを宣言する姿こそが、折笠の魅力なのではないだろうか。なお、冒頭の「ピンクゾーン3-」では女性の性処理を担うロボット役を演じた。イベントに来場していた国沢実監督は「誤解していた。非凡な俳優だと信じていたが、彼のテーマはいかに現場を楽しむかにあったと知り、がく然となった。彼は享楽の天才、人生の達人であった。今後も現場を共にし、映画作りを楽しむ奥義を会得する決意を固めたのだった」と脱帽。その躍進は、まだまだ続きそうだ。(デイリースポーツ・山本鋼平)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

サブカル系最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス