仲間由紀恵 森さんに「放浪記」継承誓う

 2012年に他界した女優・森光子さんのライフワークだった舞台「放浪記」の主演を、来秋復活上演で引き継ぐ女優・仲間由紀恵(35)が10日、森さんの墓所がある京都市の帰白院を訪れ、墓前報告を行った。墓参後には森さんの市内の生家跡も訪ねた。

 森さんの命日にあたるこの日、墓前で手を合わせた仲間は「森さんが本当に長い間、大事にされてきた舞台。その思いを胸に演じさせていただきます」と熱演を誓った。

 森さんが48年間、2017回演じ続けた主人公・林芙美子役を引き継ぐ。周囲からは激励の声をかけられることが多いといい「大役を頂いてしまったという、結構どっしりしたプレッシャーも感じています」と心境を明かした。

 初めて紅白歌合戦の司会に決まった05年に「熱が出てしまった」ことがあったという仲間だが「今回はまた、種類が違いますね」。当初は「楽しんで、前向きに」と思っていたそうだが「どれだけ林芙美子になれるか、体力は持つのか、とか考えると、胃が痛くなってます」と告白した。

 9月に結婚した夫で俳優の田中哲司(48)からも「頑張って」と激励されているという。ただ「やるかどうかという相談はしてないですね」と、今春にオファーがあった段階では、受けるかどうかの相談はしなかったことを明かした。

 仲間は生前の森さんとは、05年のNHKドラマなどで共演し、09年の放浪記の2000回公演を観劇するなど、親交があった。一度、森さんの舞台本番前に行われるスタッフのお茶会に参加したこともあり「森さんが、静かに皆さんのおしゃべりをにこにこと聞いていらっしゃるやさしい雰囲気を覚えています」と振り返った。

 また観劇の際に楽屋にあいさつに向かった際に、森さんから「いろんな作品をするでしょうけど、演出家の意見というのは一番大事よ」とアドバイスを受けたことも明かした。

 同作の名シーンである「でんぐり返し」の“継承”は現段階で未定だというが、仲間は「お芝居の中で決めていきたいですが、楽しみにしてくださる方もいらっしゃいますし、私なりに体現できればと思います」と話した。

 墓参を終えた仲間は「不安も抱えてここへ来たんですが、晴れ女だった森さんがいい天気にして下さったのかなと。『やっていいよ』と言って下さったのかなと。私も少しでも大先輩に近づけるよう、がんばっていかないといけないと思っております」と決意を新たにしていた。

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