加山雄三“恩人”岩谷さんへ追悼の熱唱

 ありがとう、また来世で‐。歌手・加山雄三(76)が2日、東京・中野サンプラザで全国ツアーの東京公演を開催した。先月25日に死去した作詞家で岩谷時子さん(享年97)への追悼の思いを込め、岩谷作品のヒット曲「旅人よ」や「海、その愛」、そして最後は2200人のファンと「君といつまでも」を大合唱。公私にわたる恩人を、この日限りの演出を交えて悼んだ。

 岩谷さんと写る写真が、ステージに映し出された。第2部の冒頭、追悼の思いを込めたこの日限りの演出だ。加山は写真を眺めながら「僕にとってはかけがえのない存在。出会ってなかったら今の僕はない」と、深い感謝の思いを口にした。

 この日、熱唱した岩谷作品は13曲。名コンビだった。加山が弾厚作名義で作曲し、それに岩谷さんが詞を付けるスタイル。「いつも想像以上のすごいものが出てきた」と振り返るように、1965年の「恋は紅いバラ」から2007年の「逢えてよかった」まで149曲を一緒に作り、うち144曲を加山が歌唱。そこから多くのヒット曲が生まれた。

 歌だけではない。70年、加山が共同経営していたホテルが倒産し、最大23億円の借金を抱えた。一時は米国で暮らし、女優・松本めぐみと結婚。帰国して再起を目指した時「嵐の去った後に 小さな鳥の巣が 枝に残ってました」と、色紙に書いた激励メッセージを寄せてくれた。「頑張れということ」(加山)と、今でも自宅に飾っている。

 最後に会ったのは3年前。「また会えるわよ」(岩谷さん)。それが今生の別れとなった。「来世でまた会える気がする。また会って一緒に仕事をしたい」‐さわやかにステージで歌っていた加山が、さみしさをにじませて口にした。

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