牧さん死の10時間前に喫茶店へ…

 ウクレレ漫談家の牧伸二(まき・しんじ、本名大井守常=おおい・もりつね)さんが29日午前0時15分ごろ、東京都と神奈川県境を流れる多摩川に転落し、病院に運ばれたが間もなく死亡した。78歳。

 牧さんが亡くなる10時間前に立ち寄った浅草の喫茶店「ペガサス」の店主は「牧さんはいつもより元気がなかった」と証言した。

 牧さんが来店したのは28日午後2時15分ごろ。同店には20年以上も通っており、この日も定位置だった隅の席に一人で座ったという。牧さんはアメリカンを注文し、30分ほど滞在してから店を出た。午後4時過ぎには劇場関係者2人が「人捜しです」と、動揺した様子で姿を見せたという。

 普段とは違う雰囲気もあった。従業員は「いつもはそのまま舞台に出るようなジャケットなどを着ているのに、昨日だけは茶色のジャンパーを着ていた。随分寂しそうな感じで、店を出るときに『ありがとうございました』と声をかけたときの返事に元気がなかった」と、牧さんの様子を話した。

 「(牧さんは)笑顔の優しい人だった」と店主。約20年前、突然の雨に店主が傘を貸したことから親しくなり、浅草の劇場に出演するときは常に来店したという。「お礼にご自身の絵が描かれた絵はがきを届けてくれた。去年には突然『七転び八起き』と書いたサイン色紙もくれた。最後にうちに来てくれて複雑な気持ちです」と、突然の訃報が信じられない様子だった。

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