宇賀なつみアナ 「3週間仕事して1週間休む」自由を求め続ける理由と相棒 フリー転向8年目「正直に書こう」と2冊目エッセー
フリーアナウンサー・宇賀なつみ(40)が、自由を極める旅を続けている。今年9月に2冊目のエッセー「おもうがたび」(幻冬舎)を出版。2022年末からの国内外への旅で「おもうこと」をつづっている。2019年のテレビ朝日からの独立から8年目。自由を求め続ける理由や、自身の生きるうえでの指針となっている“相棒”の存在などを明かした。
22歳の時から「話す」ことをなりわいとしている宇賀アナ。執筆作業は「仕事の中で一番苦しくもあるんですけど、一番楽しいかもしれないです」と柔和な笑みを浮かべ、続けた。
「テレビのような映像ってたくさんの人とみんなで一緒に作っていく。その楽しさはもちろんあるんですけど、書くというのはもう完全に1人の世界。自由度が高くて私は好きですね」
2023年春に初エッセー「じゆうがたび」を出版。「名刺代わりの1冊」という位置づけで、幼少期から学生時代、社会人を経て独立するまでをつづった。今回は、新型コロナウイルスが一段落した2022年末から現在までの「旅」がテーマ。単なる旅行記ではない。旅先での決断や心の変化を記した。
フリーに転身して8年目。局員時代を「修行」と表現する。「私にとってお金をもらって勉強させていただいている環境だった。何でも自由にならないのは当たり前だし、その時の自分があるから今の自分がある。叱ってもらえる環境は本当にありがたかった」。多数の番組を担当する多忙の日々の中で、転身を決めたのはベトナムへの旅行中だったという。
「昼間から地べたに寝そべっている大人とか、お店がオープンしているのにソファに転がっている店員さんとかを見て、私もそろそろ働き方を変えてもいいんだなと思ったんですよね。忙しすぎたかなと思った時に、『あ、会社辞めよう』ってふと思ったんです」
転身後も働き方改革を実践してきた。当初は「『フリーになって良かったね』って思われなくちゃいけないっていうのもあったし、何でも新しくて楽しくて」と仕事を詰め込んできた。転機は3年目。局員時代と変わらぬ仕事量の中で「やりたかった人生をやるために(仕事を)調整しなきゃいけないなと思った瞬間があった」。結果「3週間仕事をして1週間休む」というルーティンを導き出した。それが今著の出発点にもなった。
旅行した国と地域は現時点でちょうど50。その旅先で、離婚という決断もした。「正直に書こう」と臨んだ今著の中では、自身の思いを尊重してくれた夫から「卒業証書をあげよう」と離婚届を渡されたことなどが赤裸々につづられている。「自然な流れの中で自分の心に素直に従っていったらそうなったっていうこと」とし「自分としては大事な思い出。だから、大きな決断をしましたっていう感じでもないんですよね」と続けた。
働き方もプライベートも最初のエッセーのタイトルにある「じゆう」を希求してきた。「小学生の頃から異様な自立心と好奇心を持っていたなと。知りたいことを知りたい。早く大人になって遠くに行きたいってずっと思っていた。前世の因縁なのかは分からないですけど」と笑う。会社員生活も結婚生活も「絶対に欠かせなかった」と肯定として捉え、それを経たからこそ今、自由の重みを実感している。
小学生高学年の頃から、日記を書き続けている。最初は1日2、3行。今では1ページ。手帳に出来事や心の動きをつづり、今では約30冊に達している。きっかけは「サンリオのかわいい手帳を買ってもらった」こと。そこから「何も埋まっていないのが悲しくて」とページを埋めるために、日々の充実を求めた。自由を求める原点だったのかもしれない。「それが今の旅好きにつながっていると思います」と相好を崩した。
その手帳は、今では「自分の攻略本」となっている。「20代の時は仕事の反省ばっかり。だから同じ失敗を繰り返しすぎなくて済んだし、10代とかは友達とか人間関係での反省が多くて。あの時ああ言っちゃったけどやめとけばよかったとか」。今でもたびたび見返すといい「自分がどういう人間かっていう解像度も高くなってきたんじゃないかと思う」。生きるうえで欠かせない相棒だ。
「最大の幸福で、生きる目的」と言い切る自由を求め、現在40歳。「もう迷うことがないんですよね。自由にしていいよって言われたら、もう何でもやりたいことを思いついちゃう」と、羽は常に広がっている。この先、どんな人生を送るのか。「想像できない自分でいてほしい。今の私には想像もつかないようなことをしていてほしい」。自由を満たすための旅路はまだまだ続く。
◇宇賀なつみ(うが・なつみ)1986年6月20日生まれ。東京都出身。立大社会学部卒業後、2009年にテレビ朝日入社。「報道ステーション」の気象キャスターでデビュー。同番組のスポーツキャスターを務め、その後は「グッド!モーニング」などの番組を担当。19年に同社を退社しフリーに。現在は「池上彰のニュースそうだったのか!!」(テレ朝系)など、テレビやラジオでレギュラー番組を持つ。
