尾上松也さらなる野望 他流試合は必要不可欠 「鎌倉殿の13人」で後鳥羽上皇役を好演

 “今最も忙しい俳優”尾上松也。次なる夢は何を描くのか(撮影・西岡正)
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 歌舞伎俳優の尾上松也(37)が、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(総合、日曜、後8・00)で“ラスボス”後鳥羽上皇役を好演している。主人公・北条義時(小栗旬)を追い詰める強烈な演技で、ネットは「さすが松也」と大盛り上がり。歌舞伎では、3年ぶりに開催される「新春浅草歌舞伎」(来年1月2~24日、東京・浅草公会堂)でチームリーダー役を務める、“今最も忙しい俳優”のさらなる望みに迫った。

 松也は後鳥羽上皇役に対して「お話をいただいた時から“ラスボス”と言われていた。(放送期間の)長い大河ドラマでその役割をさせていただくのは、非常にありがたいし光栄なこと」と感じている。偉人役には想像しながら演じる楽しさがあるといい「物語の中に登場する後鳥羽上皇なので。自分がどういうふうに捉えるかを意識した」と明かした。

 本作では高校時代の同級生で大親友の生田斗真(38)と共演。絡みはワンシーンだったが「とてもうれしかった。主演の小栗旬くんとも仲良くさせてもらってるんで。友達が主演した大河ドラマに、斗真と部下と上司の立場で一緒に出られたのは、とても忘れられない思い出」と笑みがこぼれた。

 来年の大河「どうする家康」に主演する1学年先輩の嵐・松本潤(39)には「友としてはとても楽しみですし誇らしい。とにかく無事に終えられることを祈ってる」とエール。「同僚というより高校時代の仲間」という松本や生田との共演や、彼らの活躍は「すごく刺激になりますね」と固い絆をのぞかせた。

 今年はドラマ5本、舞台5本に出演と引っ張りだこ。「いろんなジャンルでお仕事させていただくことが、自分の色にもつながるかな」と話す。“他流試合”にも精力的に挑むのは「僕にとって必要不可欠な要素。役者としても人としても、経験値と幅と感覚が広がるから」とキッパリ。他ジャンルの俳優やスタッフとの出会いで「引き出しが肥えていく。役者としての面白みが増すんじゃないか」と貪欲さを見せた。

 コロナ禍と、それによる自宅でエンタメを楽しむ習慣の定着で、ライブが苦戦する現状も憂慮している。そうでなくても、エンタメのライバルは多い。

 松也は「メディアや最先端の若者たちが見ていることにチャレンジをして、俳優を通して歌舞伎に興味を持ってもらうことを皆でしていかないと、未来は非常に厳しい」と指摘し、「歌舞伎を選んでもらうためにも(外部に)出られる人が出るというのは全員でやるべきことだと思う」と説明した。

 「鎌倉殿」が終わると、年明けには若手歌舞伎俳優の研さんの場である「新春浅草歌舞伎」で、約1年ぶりに歌舞伎の舞台に立つ。2015年から若手のリーダー役を担い「最後の責任は僕が背負うつもりで」と覚悟をにじませるも「それ以外のところはフラットに“チーム浅草”として、皆で形を模索していこうという気持ち。チームリーダーの意識」とワンチームを強調。後輩思いの最年長は「僕が一番先に卒業することになるのは間違いない。卒業しても、浅草以外でも活躍できる土台を作っておかなきゃ」と先を見据えた。

 今後やりたい役はプロ野球選手だという。幼少期からの巨人ファンで「僕はずっと野球が好き。ドラマでも映画でも舞台でも何でも構わないので、プロ野球選手の感覚を味わってみたい」と目を輝かせた。ポジションは「サード以外考えられない。原辰徳さん(現巨人軍監督)にずっと憧れてきたんで」と語る目は少年のようだ。

 9月には巨人-中日戦の始球式で念願の東京ドームのマウンドに立ち、「本当に自分がやりたいなと思うことは結構かなえてきている。信じてやり続けるって大事なんだな」と感激した。松也は次なる夢を追い、かなえ、私たちを楽しませ続けてくれるだろう。

 松也の趣味はキャンドル収集。20年の緊急事態宣言中に魅了され、約200個をコレクション。21年には「一般社団法人 日本キャンドル協会」の理事に就任してしまった。

 「火の魅力に癒やされてしまいまして。香りではなく火そのものの揺らめきや明かりの優しさが好き」と説明。落ち着きたい時にともすといい「お風呂の中でたくこともありますし、家ではお酒をあまり飲まないのでソフトドリンクと火と向き合う。照明を使わずに暗い中でゆっくりするのが好き」とリフレッシュ方法を明かした。

 選ぶ基準は火の美しさと安全性。芯が木でできているウッドウィッグ社製がお気に入りで「たき火をたいている感覚になるキャンドルなんですけど、木が燃える音も聞こえてすごく癒やされる」とほほ笑んだ。

 ◇尾上松也(おのえ・まつや)1985年1月30日生まれ、東京都出身。六世尾上松助の長男。屋号は音羽屋。90年、歌舞伎座「伽羅先代萩」で二代目松也を名乗り初舞台。2014年のコクーン歌舞伎「三人吉三」ではお坊吉三役を演じ、連日立ち見が出るほどの大盛況に。歌舞伎以外でも引っ張りだこで、15年には人気ミュージカル「エリザベート」に出演。今年は大河、フジテレビの月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」などの演技が話題を呼んだ。

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