円広志 「夢想花」半音下げて歌い観客から幻滅…絶対音感ピアニストから指摘される

 歌手の円広志(63)は1978年、「夢想花」でさっそうとデビューした。覚えやすいメロディーにシンプルな歌詞、親しみやすい高い声がうけてレコードは80万枚を売り上げる大ヒットとなった。その後は「一発屋」と称されることもあったが、森昌子に提供した「越冬つばめ」は第25回レコード大賞最優秀歌唱賞を受賞した。SMAPに提供した曲はボツになったけど…。パニック障害を公表後も帯番組に出演し、報道番組でコメンテーターも務める。来年でデビュー40周年を迎える円に迫った。「夢想花」についてのエピソードを3回に分けてお届けする。以下は(2)。

 -「夢想花」で世界歌謡祭グランプリを獲得した。

 僕にとって世界歌謡祭はプロになるスタートじゃなくて、アマチュア時代のゴールでした。

 -デビュー曲でゴールしてしまった。

 そうです。それで満足した。「夢想花」は僕の音楽の集大成やと思ったんです。だから、それでもらった印税はあぶく銭みたいなもんやったんです。

 -5月に大阪でライブを開催しました。「夢想花」はオリジナルキーで歌った。

 そうです。

 -ポール・マッカートニーも70歳を過ぎてオリジナルキーで歌うと。プロにとって下げるのは屈辱なのでしょうか。今日は喉の調子が悪いから半音下げたいとか。

 あります、あります。一度、「夢想花」を半音下げて歌ったことがあります。声が出ないわけじゃなかったんですけど楽して歌いたいと思ったんですよ。そしたらお客さんにバレてしまいました。公演後に手紙を頂きまして、絶対音感を持つピアニストの方だと。で、半音下げたことを指摘されて「幻滅しました」って書いてあったんです(笑)。それから…これはもうアカンと。

 -幻滅したと書かれたらつらい。

 そう書いてあった。よく分かったなと思うんです。ほかの人は分からないと思うんですけど、絶対音感を持ってる人は分かるんですね。それに懲りて今は無理でも頑張ってます(笑)。

 ◆◆◆◆◆◆◆◆

 円広志(まどか・ひろし)本名・篠原義彦。1953年高知県生まれ。78年「夢想花」で第16回ヤマハポピュラーソングコンテストグランプリ受賞。デビュー。83年、森昌子「越冬つばめ」を作曲。同曲は第25回レコード大賞優秀歌唱賞を受賞。レギュラー番組にカンテレ「よーいドン!」、読売テレビ「かんさい情報ネットten」など。99年にパニック障害を発症し一時期テレビ番組をすべて降板し療養。著書に「パニック障害、僕はこうして脱出した」(詩想社)。巨人ファンで「今年はもうアカンでしょ」。

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