【大場久美子 26】足の裏は心の扉

 私が役者の傍ら、心理カウンセラー、足底反射療法士(フットリフレクソロジスト)、音楽健康指導士の資格を取得した理由に、誰かのお役に立ちたいという願いがあります。

 東日本大震災から5年目。なかなか個人ボランティアで現地に入ることができませんでした。と、いうより私が芸能人だからだったと思います。どこにでも大人の事情はつきものです。私は、芸能人という感覚はないんですけどね、芸能人だから何かあった時には影響力が大きいとか。

 ボランティアつながりで、陸前高田市の方とご縁をいただきました。震災後5年目にしてやっとその知人を通して、個人でボランティアに入ることができました。

 私ができる事なんて限られています。何ができるのか、現地の皆さんのリクエストはどうなのか、陸前高田市の知人と念入りな打ち合わせが続きました。

 一回目は、人数は限られてしまいますが、フットリフレクソロジーをさせていただくことになりました。

 3日間で20名さまほど足裏を押させていただきましたが、施術の間のコミュニケーションで、皆さまから出てくる言葉は、それはそれは壮絶な体験談ばかりでした。

 足裏でリラクゼーションしていただきながら、心理学のスキルで、一緒に心の問題を聴かせていただきました。その中で、震災後ほとんど会話をされず、声を出すことも苦しかった方が、足がもみほぐれて、心もちょっぴりほぐれていただけたのでしょうか、小さい声でおっしゃってくださった一言が重い重いものでした。お一人で担ぐことができない程の重さに、私は、ただただお話を伺って頷(うなず)くことしかできませんでした。

 このボランティアを通して、足裏には心の扉があると確信しました。東北の皆さま、またお伺いさせていただきますね。

編集者のオススメ記事

芸能人コラム最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス