香川照之・猿之助の父子“けんか”を長男が暴露「どなり声がするよ」

 【2011年9月28日付デイリースポーツ紙面より】

 スーパー歌舞伎の市川猿之助(71)を父に持つ俳優・香川照之(45)が来年6月、東京・新橋演舞場公演「初代市川猿翁 三代目市川段四郎五十回忌追善 六月大歌舞伎」で歌舞伎俳優としてデビューすることになり27日、都内で会見した。九代目市川中車(ちゅうしゃ)を襲名し、歌舞伎の舞台に立つ。会見場には1歳の時に香川の元を去った猿之助も登場。40余年にわたり断絶状態だった父子にとって、“和解”の舞台となる。

 「浜(木綿子)さん、ありがとう。恩讐の彼方に、ありがとう、ありがとう」。会見最後のフォトセッションで父・猿之助が小さな声で漏らした言葉。「一族で(写真を)撮るのは、物心がついてから初めてです」と笑顔を浮かべていた香川が、こらえきれず嗚咽(おえつ)し、涙ぐんだ。

 猿之助が記者会見の場に現れたのは03年11月の脳梗塞で倒れてから初めてで、確執が伝えられた父と子の雪解けを象徴する場面になった。

 日本舞踊家・藤間紫さん(09年1月没)とのW不倫に走り、1歳の時、父は家を出て行った。3歳のころに両親は正式に離婚。歌舞伎とは無縁の映像の世界に生きてきた。母の女優・浜木綿子(75)は、家族を捨てた猿之助を許さなかった。香川は25歳の時に母に内緒で猿之助の楽屋に押しかけ、物心ついて初めて父と対面。しかし「今の私とあなたは何の関係もない」と冷静に言い放たれたことを、後に明かしている。

 45年に及ぶ愛憎史を物語るように、この日、猿之助は「恩讐の彼方に」と口にした。香川は浜について「いろいろと問題があります。いろいろな思いがあるでしょうし、一番心を痛めているかもしれません」と母親の複雑な胸中を思いやり、「僕のやろうとしていることを許してくれたことを感謝してます。それがなければ、なかった話です」と父のもとで、父と同じ道を歩むことを許してくれたことを説明。「僕自身は何も辛いことはなかった。今までは全部、幸せな人生」と笑顔で語った。

 初めて歌舞伎の舞台に立つことに「素人が入っていいものか、怖くてたまりません。でも、猿之助の名前は140年続く。僕自身、考えてきたことで、この船に乗らないわけにはいかない。これが僕の人生」と決意表明。「この春から(父と)同居しています」と意外な事実も明かし、「24時間、一緒にいて、病気、体調をみてきて、大勢のお弟子さんたちの運命も父が握っている。誰がサポートするのか。僕が立ち上がらなければいけない」と力強く語った。いまだに舞台に立つことのできない父を思いやった上での決断だった。

 会見の最後に、猿之助がサプライズで姿を見せた。息子の香川に抱きかかえられながら登場し、席に着くと「よろしく隅から隅まで、ズズイーっと御願い奉ります」と口上を述べた。まだ、多少聞き取りにくい部分もあったが、久々のナマの声だった。また、孫の政明くん(7)を「かわいい」と話したのに対し、香川については「怖い」と一言。すかさず、政明くんが「(香川の)どなり声がするよ」と家での父子の“けんか”を暴露して香川がタジタジになる場面も。会見への出席は猿之助のたっての希望で、写真撮影を終えても「動きたくない」と上機嫌だった。息子と同じ「六月大歌舞伎」の舞台には立たないが、亀治郎の四代目―襲名に伴い、猿之助が二代目市川猿翁を襲名する。

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