史上初の女性プロ棋士・西山朋佳白玲 20年前から途切れなかった真っ直ぐな思いと熱量

 将棋の西山朋佳白玲(31=清麗・女流名人・女流王将との女流四冠)が26日、東京・将棋会館で記者会見を行い、獲得していた棋士編入の権利を行使することを発表した。西山白玲は10日に行われた白玲戦第5局を制して防衛に成功。2025年の日本将棋連盟通常総会で決定された「白玲位通算5期で棋士編入」の規定に伴い、編入の権利を得ていた。来年4月1日に、史上初となる女性の将棋プロ棋士が誕生することになる。

 西山白玲が初めてプロ(女流)の大会に出場したのが、2006年11月に大阪・関西将棋会館で行われた「第2回きしろ杯争奪関西女流メイショウ戦」。同大会を取材し、この日の会見にも出席した本紙囲碁将棋担当・福島大輔記者が当時を回想した。

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 西山白玲を初めて取材したのは、ちょうど20年前の2006年10月。当時11歳、小学5年生にして“関西の最強少女”と名をはせていた。本紙協賛の「第2回きしろ杯争奪関西女流メイショウ戦」にアマチュア枠で出場した際の特集で、非公式戦ながら初めてプロに挑んだ大会だった。

 初対面の印象は、どこから見ても普通の少女。だが言葉の端々から、将棋への思いと負けん気の強さがにじみ出ていた。大会では初戦で、準優勝した山田朱未女流初段(当時)に逆転負けしたが、局後も「勝ちがあったのに逃してしまった。それほど力の差は感じなかった」と気丈に語っていたことを覚えている。

 会見で当時取材したことを告げると、一瞬困惑しつつ「ああ、はいはいはい…」と懐かしそうにほほ笑んだ。当時の自分に伝えたいことは?と問うと、この日一番の“長考”の末「何を言っても信じないような気もするんですけど…。『自由に生きていいよ』と言うと思います」と答えた。

 その真意を西山白玲は「放課後は(家に)帰って将棋をやったり、かなり将棋に偏った日々を送っていたので、普通と違うのかなという悩みもあった」と告白。「今になって思うと、全く気にしなくて良かったのかなと思います」と言い切った。当時から途切れることのなかった真っ直ぐな思いと熱量が積み重なって歴史を動かしたのかと思うと、余計に感慨深かった。

 ちなみに、その大会でプロとしての初優勝を果たしたのが、当時14歳の里見(現・福間)香奈女流1級。女流棋界のレジェンド2人が輝いた、何とぜいたくな大会だったのか…と、さらなる感慨が押し寄せた。

 (デイリースポーツ囲碁将棋担当・福島大輔)

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