西山朋佳白玲 史上初の女性将棋プロ棋士!「そしてこれからもっと上を目指す戦いをしてみたい」と意気込み語る
将棋の西山朋佳白玲(31=清麗・女流名人・女流王将との女流四冠)が26日、東京・将棋会館で記者会見を行い、獲得していた棋士編入の権利を行使することを発表した。西山白玲は10日に行われた白玲戦第5局を制して防衛に成功。2025年の日本将棋連盟通常総会で決定された「白玲位通算5期で棋士編入」の規定に伴い、編入の権利を得ていた。来年4月1日に、史上初となる女性の将棋プロ棋士が誕生することになる。
途方もなく重かった扉の先に、ついに踏み入る決断を下した。1974年に「女流棋士」として女性が将棋界に参入してから52年、ついに西山白玲が初のプロ棋士となることが確定した。
10日に編入の権利を得た直後は、緊張感をあらわに「今すぐに答えを出せる状況ではない」などとして判断を保留していた。この日は晴れやかな表情で会見場に姿を現し、行使を堂々と宣言。会見中も笑顔を見せるなど吹っ切れた様子だった。
権利行使まで与えられた2週間をフルに使っての決断。周囲からの後押しを受ける中「最後に残ったのは、やはりもっと強い方と戦いたい。そしてこれからもっと上を目指す戦いをしてみたいという気持ちでした」と、より厳しい世界に挑むに至った理由を明かした。
史上初の女性棋士となったことには「女流棋界は50年以上の歴史があって、先輩の方々にその歴史を積み上げていただいた」と感謝の言葉も。その上で「私自身も今後、その到達点を塗り替える努力をする役割を担う一人と認識しております」と、パイオニアとしての自覚も口をついた。
過去には2度、棋士編入の機会を“あと1勝”で逃してきた。2020年には第66期三段リーグで14勝4敗の好成績を挙げたが、同星での3位で次点に終わってプロ入りを逃した。24年には棋士編入試験を受験したが、2勝3敗とこちらも一歩及ばなかった。
改めて当時の思いを「三段リーグで次点だったことは強く思い出されます。編入試験のときは勝たなくてはいけない場面で実力不足だと受け止める機会になりました」と回想。痛恨の記憶を経て、より強く成長した。
来年4月1日付でフリークラス四段となり、公式戦に出場。一方で、タイトル防衛も含めた女流棋戦にも参加することになる。“二刀流”は体力面でも大きな障壁になり得るが、日本将棋連盟が今後、対局日程などを含めて対策を練ることを表明しており、バックアップ体制は整っている。
一方でネット上では、女性のみに適用される新制度への疑問の声が一部で上がっていた。会見では理事の片上大輔七段が「西山さん個人に対して、制度の是非を問う声とか、やや心ない発信も一部では見受けられる」と指摘。それでも西山白玲は「私自身のことだと思っているので、自分がどうしたいかということを中心に検討した」と、世間の声による影響をきっぱり否定した。
所定の条件を満たせば、順位戦のC級2組に昇級できる。一年目の目標を「フリークラスの脱出と、大きなことを言えるといいんですけど…」としつつ、「目の前の1局1局を全力で指すスタンスを崩さずに来たので、積み重ねの先にそういう結果につながると理想的」と謙虚に回答。「棋士として認めていただけるように精進するのも自分の役割」と、足元をしっかり見つめた。
◆西山朋佳(にしやま・ともか)1995年6月27日生まれ、大阪府大阪狭山市出身。09年8月に第30回全国中学生選抜将棋選手権大会・女子の部で優勝。10年3月に奨励会に入会。21年4月に退会し女流棋士へ転向。振り飛車党で、終盤の力強い指し手から「豪腕」の異名を取る。女流タイトルは通算23期。
