新進気鋭の歌舞伎俳優・中村鷹之資を支えるこだわりの朝ごはん 人間国宝の父を突然失い、乗り越えた苦悩の日々
動画メディア「通勤タイムス」で配信中の、各界の最前線を走るプロフェッショナルたちの、大切な朝のエナジーチャージに迫る人気動画シリーズ「伝説の朝ごはん」。過去には元プロボクサーのタレント・赤井英和の妻・佳子さん、放送作家・小山薫堂氏、メディアアーティスト・落合陽一氏、タレント・ディレクターのテリー伊藤らが出演。自ら食事を準備し淡々と食べ進める姿が反響を呼び、シリーズ累計で7億回以上再生されSNSの総フォロワー数は120万人を超え令和版SNSドキュメンタリーとして注目されている。
10月5日に公開された動画では、人間国宝の故・五代目中村富十郎さんを父に持つ歌舞伎俳優・中村鷹之資が登場。歌舞伎界の次世代を担う若きホープが、日々を支えるこだわりの朝食を紹介している。
きれいに整頓されたキッチン。鷹之資はまずポットでお湯を沸かし、コーヒーを豆から手動で挽く。じっくりとドリップする間に、バナナ、ブルーベリー、きな粉、はちみつを加えたヨーグルトで朝食をスタート。
コーヒーを淹れたら、メインディッシュに取りかかる。目玉焼きとソーセージを手早く焼き上げ、ミニトマトで彩りを加える。ご飯を盛り付けたら、最後にめかぶを1パック。めかぶは健康維持、腸内環境維持のために、毎日欠かさず摂取しているという。
食べ終わると食器をきれいに洗って片付け、日課の台本読みと稽古。この日は歌舞伎の代表的な演目「義経千本桜」を、動きと連動させながら読み込んだ。続いて浴衣に着替えて舞踊の稽古。父・富十郎さんの映像を流しながら「供奴」を舞った。
鷹之資がこだわる自作の朝食とは何か。まずコーヒーとフルーツ入りのヨーグルト。「きな粉とはちみつをかけるのはうちの母が好きで、家でずっとそれでやってたんで、僕も踏襲して」という。さらにメインは「パンを食べるときもあるんですけど基本的に卵とソーセージとご飯のセットが一番好き」。そして「大事なのはめかぶ」と強調した。
仕事で地方に行く際は約1カ月間、ホテル生活が続く。「いちばん手軽に、それで栄養を摂れて、なおかつ胃にもたまって、元気も出るのは何かなと」と、工夫を重ねた結果「ホテルではだいたいヨーグルトとコーヒーとバナナ、それからめかぶ。あとはそこに加えれば納豆というのが一番良いというのを編み出しまして。腸内環境を整えるという意味でもいただくようにしております」という。
歌舞伎俳優は朝から晩までの体力勝負。「今日はお芝居がない日の朝ごはんなんですけど、お芝居がある日はその時の役によって、あんまり食べ過ぎるときつい時は朝減らしたりとか、逆にしっかり食べないとっていう時は、本当に多い時だと朝ご飯1合食べて、それと卵とお肉ですね」と、日によって食事も変化する。「うちの父なんかも大変な役の時は、朝からステーキを焼いてもらって食べてたそうなんで」と笑いながら明かした。
人間国宝だった父・富十郎さんは、鷹之資にとってどのような存在だったのだろうか。「僕は歌舞伎界の中でもすごく稀なケースで、父が70歳の時に生まれたので、僕が生まれた頃には父はもう人間国宝だったんですね。周りの方から認めていただいている人だという中で育ったんで、父はすごいんだみたいなことも特になかった」と、努めて淡々と話した。
富十郎さんからは「僕が14歳になったら本格的にいろんなことを教えていく」と言われていたといい、「それまでは伸び伸びとやってほしいということで、あんまり細かいことは言わなかったんで…。おじいちゃんと孫くらい年が離れたお父さんみたい」という存在だった。だが富十郎さんは、鷹之資が11歳の時に直腸がんで死去。「この世界っていうのはやはり男社会ですし、父親がいるいないっていうのはすごく大きいんですね。もちろん変わらずに助けてくださる方もいて、そのおかげで今があるんですけれども、父が亡くなってからガラッと変わってしまった方もいて、子どもながらに同じ楽屋に行ってるとは思えないような感じで過ごしていまして」と、当時の複雑な思いを回想した。
突然、大きな後ろ盾を失った少年時代。自分にしか分からない苦悩を、必死に乗り越えた鷹之資。「今でも原動力となっているのは、父の小さい頃から見てきた背中、芸に向かう姿勢。その父の背中と行動でずっと見てきたんで、これからも父のような役者、また人間になれるように精進しているというところだなと思っています」と、晴れやかに前を向いた。
日の出の勢いの鷹之資は朝の時間が持つ意味を「良い一日を始めるためのスタートって感じですかね」と即答。朝は早起きし、散歩をしてから朝食に取りかかるのが日常だ。「朝の一日をゆっくり始めて、気分がいいと、一日を本当にいい気分で過ごせる」といい、「朝は本当に大事だなと。ちゃんとおいしい朝ごはんをいただいて、そこから劇場だったり仕事へ向かう。一日の中でも一番大事にしている時間かもしれないです」と、エネルギーチャージの効果も熱弁した。
