中村梅雀 46年ぶり歌舞伎座出演に「ドッキドキであります」決め手は妻の一言 「十二月大歌舞伎」取材会
俳優の中村梅雀(70)が21日、都内で開かれた東京・歌舞伎座「十二月大歌舞伎」(12月2~25日)の取材会に歌舞伎俳優の尾上松緑(51)、演出の西森英行氏と出席した。梅雀が歌舞伎座に出演するのは1980年12月以来、実に46年ぶり。
梅雀は第二部で上演される「忠僕元助」に出演する。講談師・神田松鯉の「赤穂義士外伝」の一つを新作歌舞伎化し、赤穂義士の討ち入りの前日を描くもので、梅雀が片岡源五右衛門役を、松緑が源五右衛門に仕える元助役を演じる。
梅雀は「一番恐れ多い場所に戻るじゃないけど出させていただける、とんでもないことですね。恐ろしいことです」と語った。前回は松竹を離れた祖父の中村翫右衛門が31年に設立した歌舞伎劇団・前進座の50周年記念公演で出演。「頭の中はぐちゃぐちゃだし、どうしていいか分からない状態」だったという。
2007年に前進座を辞め、「歌舞伎の方を取っ払おう」との思いで稽古事もやめたが、松緑から電話で「すごい熱い圧力」のオファーを受け、「かみさんが『何迷ってんの?出るしかないでしょ』ということで、すぐお返事しました」とオファーを受けた。
「ビックリしてアタフタしたけど、松緑さんの熱い思いを語っていただきまして、出ないわけにはいかないなと思いまして」と説明し、「いろんな意味でとても初々しい、70超えて初舞台というドキドキ感がある。46年前も初々しい人間でアタフタしながら出てましたけど、今回も初々しく出ていきます」と胸中を打ち明けた。
松緑と梅雀はNHK大河ドラマ「葵 徳川三代」(2000年)で松緑が徳川家光役、梅雀が徳川光圀役とナレーターで出演したが、同じ画面での共演はなかったため、松緑は「誰よりも僕自身が梅雀兄さんと芝居を一緒にさせていただきたい」と直電したという。
松緑は梅雀の魅力について「どのジャンルも自然体に近いというか自然に見える。こういうふうにわざとらしくなく芝居ができれば本当にいいなと」と熱弁を振るい、「兄さんの人の心を動かす極意みたいなものとか、自分が見ていないところでも何をしているのかという認識力だったり、決定的に僕に欠けているので、稽古から1カ月半ぐらいの間に何か得たい」と意気込んだ。
松緑や西森氏の期待感を聞いた梅雀は「いろいろな期待がたくさんのしかかってきてすごいことになっているなと思います。中村梅雀はドッキドキであります」と笑顔で応じていた。
