「September JAM」福島県で21日スタート 音楽・美術・映画・広告・演劇・演芸・アニメ・食「混じり合う」 ディレクター・箭内道彦氏

September JAMについて語る箭内道彦氏
September JAMのメインビジュアル
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 今月21日、福島県猪苗代町で総合芸術イベント「September JAM」(以下SJ)が産声を上げる。2009年から同県で開催されている「風とロック芋煮会」と15年から同町で開催されている「オハラ☆ブレイク」の2大フェスがタッグを結成。11月3日まで音楽、美術、映画、広告、演劇、演芸、アニメ、食とさまざまな芸術が体験できる新イベントについて、共同実行委員長を務めるクリエイティブ・ディレクターの箭内道彦氏(62)に狙いや見どころを聞いた。

 SJの共同実行委員長は、「風とロック芋煮会」実行委員長の箭内氏と「オハラ☆ブレイク」実行委員長で東北最大の音楽フェス「ARABAKI ROCK FEST.」をプロデュースする菅真良氏が務める。ともに福島出身で、音楽で故郷を盛り上げるべく20年近く協力してきた。

 SJの始まりも2011年3月11日の東日本大震災直前、菅氏が箭内氏に総合芸術イベントの企画書を持参し「面白いし、一緒にやりましょう」となったこと。震災で企画は止まったが今回、「東日本大震災から15年のタイミングで形にしていこう」と動き出した。

 街を舞台にした総合芸術イベント開催にあたり2人が視察したのがスコットランドのエディンバラ・フェスティバル・フリンジ。「街が舞台になっていて、音楽だったり演劇だったり美術だったりいろんなパフォーマンスだったりがぐじゃぐじゃになっている」という面白さを「僕らが猪苗代でやるとしたらどんな形になるんだろう」という地点から、猪苗代町などと内容を練っていった。

 結果、音楽をはじめ、美術、映画、広告、演劇、演芸、アニメ、食などが融合した新イベントが誕生。世界的な画家でSJの立ち上げにも関わっている奈良美智氏のライブドローイング展も「はじまりの美術館」で期間中、開催される。

 今年は大震災から15年。とはいえ、復興は周年で節目をつけるものではない。その間にも熊本地震や能登半島地震、各地の豪雨、コロナ禍、海外では戦争や紛争も絶え間なく起きている。

 そんな世界でSJを開催する意義を、箭内氏は「福島がどのように歩んできたか、音楽や芸術がどういう役割を果たしてきたか、アートがどんなふうに機能していけるのかをきちんと発信するタイミングとしては-区切りだったり節目という考え方は好きじゃないけど-そこです」と説く。熊本出身で「能登半島」というヒット曲を持ち、能登町復興応援特命大使でもある石川さゆりの出演(22日)は象徴的だ。

 JAMにはジャーニー、アート、ミュージックの頭文字が含まれ、「混じり合い」の意味もある。箭内氏は「異なるもの同士の混じり合い方が世界中ヘタクソで、そのヒントがアートだったりこういうイベントだったり場所にあるんじゃないかな」と期待している。

 「違うお互いがこうやって力を重ねることができるんだ、音楽と美術という違うものも一緒になれる、そこと向き合いたい。楽しい時間を過ごしてもらいながらも、多様性だったり、白か黒かみたいな世界の中でどんなふうに人と人は向き合って前へ進めばいいんだろうっていうことを肌で感じるような場所になったらいいと思います」

 箭内氏は「東京から日帰りできます。新しいイベントの始まりを一緒に作れるというか目撃できるのは今年しかないので絶対に来てください」とメッセージを送った。

 ◆箭内道彦(やない・みちひこ)1964年4月10日生まれ。福島県出身。東京藝大卒。博報堂を経て2003年に独立、風とロック設立。タワーレコード「NO MUSIC,NO LIFE.」、リクルート「ゼクシィ」などの広告キャンペーンを手掛け、NHK「トップランナー」、NHK Eテレ「福島をずっと見ているTV」などのパーソナリティー、フリーペーパー「月刊 風とロック」発行人・編集長、東京藝大教授、福島県クリエイティブディレクターなどを務める。11年、猪苗代湖ズでNHK紅白歌合戦出場。

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