市川染五郎 大役の一條大蔵長成役に決意表明「早いと言い続けるのも自分への甘えのよう。焦りを感じるぐらいの気持ちで」

取材会を開いた松本幸四郎(右)と市川染五郎
取材会を開いた松本幸四郎(右)と市川染五郎
松本幸四郎(右)と市川染五郎
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 歌舞伎俳優の松本幸四郎(53)と市川染五郎(21)親子が12日、都内で東京・歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」(2~26日)の取材会を開いた。

 「秀山祭」は初世中村吉右衛門の功績を顕彰し、二世中村吉右衛門さんを中心に2006年から始まった興行。

 幸四郎は「ひらかな盛衰記」より「逆櫓」の松右衛門実は樋口次郎金光、「沼津」の呉服屋十兵衛(片岡仁左衛門とのWキャスト)、「一條大蔵譚」の八剣勘解由の三役を勤め、松右衛門は初役。染五郎は「春調娘七種」の曽我五郎、「逆櫓」の船頭明神丸富倉、「一條大蔵譚」より「奥殿」の一條大蔵長成の三役を勤め、大蔵卿は初役。松右衛門、十兵衛、大蔵卿は初世も二世も得意とした役だ。

 大役の一條大蔵長成を初役で演じる染五郎は「身に余る大役」とあいさつし、過去4度演じてきた幸四郎は「(自分が)大蔵卿だと思っていたんですけど」と苦笑しつつ、「染五郎にしっかりと継いでもらいたい」とハッパをかけた。

 染五郎は「お話をいただいた時は驚きましたし、私も『父じゃないんだ』と思いました」と振り返りつつ「まだまだ早いなと思う一方で、早いですよと言い続けるのも自分への甘えのように聞こえる気がしていまして、早いと言わず腹をくくって。初代は12歳、二代目は15歳で初演。2人に比べたら遅い。2人を目指すところに関して言えば焦りを感じるぐらいの気持ちで演じられたらと思っている」と気合十分。

 今年5、6月に演じたハムレットを引き合いに「ハムレットと大蔵は狂気を装っているところも似ているし。高貴な部分で外から見たら恵まれているが誰にも分かってもらえない寂しさ、悲しさを感じているのが共通している。そういう哀愁みたいなのを感じていただけるのが大蔵。高いハードルだけどそこを目指したい」と意気込んだ。

 今年は初代吉右衛門の生誕140年で、秀山祭20年となる。染五郎は「高祖父に初代を持つ者としてとても特別な興行。2016年の秀山祭の時に大叔父(二世吉右衛門さん)が大蔵をやっていますし、初代の自伝の中で、生涯演じていきたい役の中で一番好きなのが大蔵と言っている。ひときわ特別な思いで臨みたいし、今後も続いていくように、きっちり残す、担える役者になれるように、今回もきっちり勤めたい」と誓っていた。

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