歌舞伎座を創設者したレジェンドが没後120年 人気演目の初演を團十郎ファミリーで再現
東京・歌舞伎座「七月大歌舞伎」(7月2日~26日)の昼の部で「末広がり」、「時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)」、「御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)」、夜の部で「鎌髭(かまひげ)」、「神明恵和合取組 め組の喧嘩(かみのめぐみわごうのとりくみ めぐみのけんか)」、「春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)」が上演されることが17日、分かった。
「末広がり」は主人の大名(市川染五郎)に末広がりを買ってくるよう命じられた太郎冠者(中村隼人)だが、末広がりが扇子のこととは知らず…という、ユーモアあふれる舞踊劇。
「時今也桔梗旗揚」は「本能寺の変」が題材の通称「馬盥(ばだらい)」。鶴屋南北作品には珍しい時代物で、曽祖父の初世中村吉右衛門が得意とした武智光秀(明智光秀)を松本幸四郎が初役で、光秀に忠義を尽くす四王天但馬守を市川團十郎が勤める。
「御浜御殿綱豊卿」は真山青果の名作「元禄忠臣蔵」から。徳川綱豊卿と富森助右衛門をAプロ・BプロのWキャストで上演する。Aプロは定評ある仁左衛門の綱豊卿と幸四郎の助右衛門。Bプロは2018年の「新春浅草歌舞伎」以来2度目、歌舞伎座では初となる尾上松也の綱豊卿、初役となる隼人の助右衛門という組み合わせとなる。
夜の部の幕開きは、家の芸の継承と復活に取り組んできた團十郎が、海老蔵時代に新たに構成した「壽三升景清(ことほいでみますかげきよ)」より、歌舞伎十八番の内「鎌髭」を上演。修行者快鉄実は悪七兵衛景清をWキャストで勤めるのは中村福之助(Aプロ)と中村鷹之資(Bプロ)。1月に「鳴神」の鳴神上人をWキャストで勤めた2人が初役で挑む。
世話物「神明恵和合取組」は鳶頭・辰五郎に團十郎、焚出し喜三郎に幸四郎、江戸座喜太郎に中村梅玉。いなせな鳶と力士が命をかけた真剣勝負を繰り広げる。
新歌舞伎十八番の内「春興鏡獅子」は1月の新橋演舞場で、團十郎の小姓弥生後に獅子の精、市川ぼたん、市川新之助の胡蝶の精という親子共演で好評を博した演目。1893年に九代目團十郎が「鏡獅子」を歌舞伎座で初演した際に胡蝶の精を勤めたのは娘の二代目市川翠扇と二代目市川旭梅で、歌舞伎座の創設者であり作者でもある福地桜痴没後120年にあたる本年、初演時と同様に当代團十郎が娘のぼたん、息子の新之助と、歌舞伎座で勤める。
