【追悼】生島ヒロシ 先輩の久米宏さんを悼む 5年前の違和感「腰が痛いんだ」 最後1秒まで無駄にするなと「Nステ」カミソリ質問 30年に1度の傑物
フリーキャスターの久米宏さんが亡くなったことを受け、TBS時代の9期後輩だったフリーアナウンサー・生島ヒロシが13日、デイリースポーツの取材に応じた。大先輩の急逝を悼み、近況や直接学んだ“久米イズム”について明かした。
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とても足元には及びませんけど本当に天才です。ショックですね。去年の暮れにTBS時代にお世話になった先輩から「久米はもう腰痛で、歩いてる姿がおじいちゃんだったぞ」と言われて。最後に見かけたのは5年ぐらい前で「久米宏 ラジオなんですけど」の中で会ってますから、その時も「ちょっと腰が痛いんだ」って言ってました。
昔の大先輩の渡辺謙太郎さんって野球実況の名アナウンサーがいましたけど「久米宏は30年に一人の傑物だ」って言ってましたね。あれだけニュースをエンターテインメント化して、そういう部分で右に出るものはいないです。
久米さんは「ただ読んでるだけじゃ面白くないんだから。サプライズが起きるような展開に持っていかないと、予定調和はダメだ」と教えてくれました。インタビューが本当にうまかったんですけども、最初と最後(の質問)だけ決めて「あとはアドリブで展開できるようにしなきゃいけない」と。自分の番組が終わってからも「この角度はダメだな」とか、VTRを見ながら徹底的に研究してて。質問で相手をギャフンって言わせる“カミソリの切り口”っていうのはすごかったです。
今みたいにSNSがない時代ですけれども、彼はハッキリ割り切ってて、僕には「敵が半分、味方が半分。そのぐらいの感覚でやんなきゃダメだ」って言ってて、それは随分支えになりました。つまり視聴者が何を気にしてるとか、画面を見ながら率直に感じたことを鋭い短い言葉でものの見事に返してくるんです。
「ニュースステーション」のころは最後に政治家が出て、最後の最後ですごい尾を引くような質問をぶつけて、政治家が答えられなくて、はいコマーシャルみたいな(笑)。だから「最後の1秒まで無駄にするな」って教えで、僕もいつもギリギリまでしゃべって、スタッフからハラハラされるけど、それもある意味“久米イズム”ですね。
でもその久米さんの元を作ったのは、やっぱり「永六輔の土曜ワイドラジオTOKYO」っていう番組で、永六輔さんっは本当に放送マンとしては最高だったと思うんですよね。だからその永六輔さんをギャフンと言わせるというか「毎週『なんとかしてやろう』って目標に頑張り続けてる」って僕に言ってました。だから久米さんの師匠は僕はある意味で永六輔さんだと思います。永さんの素朴な疑問とそれを徹底的に追究していく姿、あれが久米さんの原点だと思いますね。謹んでお悔やみ申し上げます。
