たくろう M-1優勝の勝因語る「開き直り」苦労の7年経て等身大の漫才を追究 東京進出の可能性にも言及
漫才日本一決定戦「M-1グランプリ2025」の決勝戦が21日、都内で開催され、結成9年のたくろうが21代目王者に輝いた。初決勝で史上最多エントリーとなる11521組の頂点に立ち、賞金1000万円を獲得。きむらバンドは「漫才をやってきて本当によかった」としみじみ。23年、24年は令和ロマンが史上初の2連覇という偉業を成し遂げたが、赤木裕は「来年は出ませーん!」とおちゃめに宣言。大阪では名の知れた2人は、その勝因や東京進出の可能性にも言及した。
ファーストステージでは9人の審査体制では歴代最高得点の870点をたたき出したエバースに次いで、861点で2位に。最終決戦では3番手でネタを披露した中、審査員9人中8人の票を獲得し、アンタッチャブル・柴田英嗣は「2本目は100点をつけていいくらい面白かった」と大絶賛だった。
2018年に準決勝に進出した以来、最高でも準々決勝止まりと、思うように結果が出ず、苦労の7年を経験した。それでもきむらは「優勝させていただいてるから言えるけど、“いる7年”だった」と実感を込めた。
漫才のスタイルは変えず、自分たちの笑いを磨き上げてきた。勝因について、きむらは苦労をした故の「開き直りがあった」ときっぱり。「自分らに合うように諦めていった。手の出せない設定はやらないし、エッジが効いてなくてもとにかく笑ってもらえればいいじゃないかと思えた」と等身大の漫才を追究した。
今大会は、初戦となった2回戦以外は、この日の1本目で披露した「リングアナ」のみで戦ってきたという。2本目の「ビバリーヒルズ」は11月にできたばかりの新作だというが、赤木は同期の翠星チークダンス・木佐に相談したところ「絶対に過去にやったちゃんと強い、実績のあるネタをした方がいいよ」と助言されていたと告白。「それを信じずに良かった。優勝した理由は木佐を信じなかったから」ときっぱり。きむらも「危な!俺を信じてくれたってことね。相方を信じてくれてありがとう」とおちゃめに感謝した。
関西勢の優勝は19年のミルクボーイ以来。M-1で結果が出た関西コンビは東京進出することが多いが、その可能性について、赤木は「今行かなきゃいつ行くんだって気持ちもある」と分岐点であることを自覚。現時点で「50:50」と説明した。
きむらも、去年までは東京進出の願望がなかったことを明かしながら「多分いっぱい大人としゃべらないといけない。大人と相談します」と笑顔で語った。
