真打昇進の林家なな子 師匠・正蔵の口上に感極まる「辛いことがあっても、ひと言も愚痴を言わない。そんなオバさんです!」
落語家の林家なな子が23日、都内で、真打昇進襲名披露興行を行った。
襲名披露の恒例である口上では、林家彦いち、柳家喬太郎、金原亭馬生に続き、師匠の林家正蔵が新真打ちにエールを送った。「一門の長女です。先日、家に来まして、用事を頼んだら『ハ~イ』と言ってうちの自転車に勝手に乗って、飛んで行きました。その後ろ姿を見たカミさんが『あの人、ちっとも変わんないね。良い子が来てくれた』って言ってました。辛いことがあっても、ひと言も愚痴を言わない。辛い姿も見せない。そんなオバさんです!」と毒舌交えて紹介し笑わせた。
師匠からの言葉になな子は思わず感極まったのか、目頭を熱くして大きくうなずいていた。
この日の演目は「徂徠豆腐(そらいどうふ)」。貧しい生活を送っていた江戸時代の儒学者・荻生徂徠(おぎゅう・そらい)が出世したのち、恩義ある豆腐屋に恩返しをするという人情もので、文字通り、正蔵への恩義に報いたいと努力を重ねてきたなな子らしい作品で会場を沸騰させた。
