将棋・渡辺明九段 年度末3月31日まで休場 左膝前十字靱帯の術後障害のため 自身Xでも報告「先が見通せない」
将棋の渡辺明九段(41)が、左膝前十字靱帯の術後障害のため、年度末となる来年3月31日まで休場することが18日、日本将棋連盟から発表された。渡辺九段は昨夏、左膝前十字靭帯を断裂し、12月に手術していた。在籍しているA級順位戦は残り7局が不戦敗となるため、1勝8敗の成績が確定。その他の棋士が予定通り対局を行った場合は10人中9位以下になることが決まったため、来期は8期ぶりにA級から陥落することとなる。
タイトル通算31期は藤井聡太七冠と並ぶ歴代4位タイ、そして竜王、棋王と2つの永世称号を獲得しているレジェンド棋士を、大きな試練が襲った。渡辺九段はこの日、自身の公式Xで「足の治療を続けながら対局をしてきたのですが、入退院を繰り返していて、また不戦敗をする見込みになり、先が見通せないので、年度末まで休場することになりました。ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」と報告した。
渡辺九段は昨夏、趣味のフットサルで左膝の前十字靱帯を断裂。12月に手術を行い、約1カ月間休場した。復帰後もたびたび不戦敗を喫し、4月に再び休場。7月に復帰したが、1不戦敗を含む3勝3敗と調子は上がらず。日本将棋連盟の関係者はデイリースポーツの取材に「膝に痛みが出ているということで、休場を決断されたようです」とした。
Xでは「4月の時点で1年休むという決断は出来ずに3ケ月で復帰しましたが、結果、棋戦も中途半端になり、皆さまにご迷惑をおかけすることをお詫び申し上げます」と謝罪。患部については「靭帯を損傷した時に痛み、出血、腫れがなかったことに始まり、かなり珍しいことが起きてしまってるようで、長引いてるのですが、はっきりしたことは分かっていません」とつづった。
渡辺九段は2001年4月、史上4人目の中学生プロ棋士としてデビュー。04年に第17期竜王戦で森内俊之竜王を破って20歳で初タイトルを獲得した。その後、竜王位を9連覇して史上初の永世竜王位を獲得。棋王戦も12年から10連覇して史上2人目の永世棋王となるなど、将棋界のトップとして君臨し続けている。
◇渡辺 明(わたなべ・あきら)1984年4月23日生まれ、東京都出身。94年、小学4年生時に第19回小学生将棋名人戦で優勝。同年、所司和晴七段門下で奨励会を受験し、6級で入会。聖学院中3年時の2000年3月、第26回三段リーグで1位となり、史上4人目の中学生棋士に。03年9月に第51期王座戦でタイトル初挑戦。04年12月に第17期竜王戦で初タイトル獲得。タイトル獲得は史上4位タイの通算31期。私生活では04年4月に作家の伊奈めぐみ氏と結婚。昨年11月に離婚した。愛称は「魔王」「魔太郎」。
