石川ひとみ「元気の源は歌なんだなって」 B型肝炎で療養、数々の病と闘う支えに 「まちぶせ」大ヒットで紅白 「プリンプリンは大きな宝物」

 歌手の石川ひとみ(65)が、月一連載企画「今も輝いて アイドル伝説」の第5回に登場する。主人公の声を演じた名作人形劇「プリンプリン物語」が昨秋からNHK Eテレで再放送されており、今年はベストアルバム「石川ひとみ GOLDEN BEST 1978-1983」を高音質CDでリリース。ライブもコンスタントに行い、11月24日にはTOKYO FMホールでコンサートを開催する石川が、伝説の昭和と充実の令和を語った。

 デビュー2年目の石川にとって、声優の仕事は「プリンプリン物語」が初めてだった。同作では印象的な楽曲が数多く使用されており、「歌も加味しながらの(人選)だったのかな」と推測するように、歌唱力に定評があった石川に白羽の矢が立ったと思われる。

 収録では「自分のプリンプリンのイメージで好きなように、自由にやらせていただいた」という。共演者にも教えられ、「回を重ねるごとに自分の気持ちもプリンプリンと重なったりして」、学び、成長していった。

 放送時間が仕事と重なっていたためリアルタイムでは見られなかったというが、今回の再放送で「お話自体がすごく斬新な感じで、キャラクターも独特ですし、今まであまり見たことがない感じのお人形が出てくる。今見ていても古さとか全く感じなくて」と確認したように、今や名作という評価が定着している。

 「本当にあの時、私をプリンプリンにしていただいて良かったなあ。大きな大きな宝物ですね」

 「プリンプリン物語」の放送終盤、1981年には「まちぶせ」が大ヒットし、「NHK紅白歌合戦」にも初出場した。石川は両親と芸能活動を4年間と約束していたが、それまで大きなヒット曲はなく「歌に関しては中途半端な感じがしていて、このままズルズルやっていても納得いかないし、次の曲をリリースしたら辞めようと心に決めていた」という。

 そんな時にディレクターが挙げたのが三木聖子の「まちぶせ」だ。高校2年時に東京音楽学院名古屋校でレッスンを受けていた際の課題曲で「とても良い曲だなと思って、すぐレコードを買って毎日のように歌っていた」。「今までと何か違う、心にグッと来るものがあって。この曲だったら最後にして絶対に後悔ないなと思った」という石川は「次の曲は『まちぶせ』が歌いたいです」と初めて意思表示した。

 「歌えることが幸せでしたね。青春大好きな私にとっては青春そのものの気持ちを歌った曲だったので、ドンピシャな感じで歌っていました」

 ヒットを実感したのは、TBS「ザ・ベストテン」の注目曲を紹介するコーナー「今週のスポットライト」だった。

 「初めて出させていただくってなった時に『ええ?そうなんですか?そんなに注目してくださってるんですかねえ?』みたいな感じで。(自分に)一切関係ないくらいの番組だったので、出た時はすごくうれしかった」

 16歳で出合った「まちぶせ」が、歌を辞めようと思っていた時に現れ、歌を続けることになった。「歌がこんなに楽しいものなんだって改めて知ってしまったので、いまだにやっている。人との巡り会いとか曲との巡り合いとか計り知れないものがあって、どうすることもできないものだから、大切にしなきゃなあってすごく感じていますね」という、運命的な歌との再会だった。

 勢いは続き、82年にはNHK「レッツゴーヤング」の司会に選ばれ、86年の終了まで務めた。収録は「NHKホールにお客さまがいっぱいに入っていて、オープニングが始まるとすごい歓声になる。隣にいる(太川)陽介さんの声も、ちゃんと聞いてないと聞こえないくらい」と、熱気に満ちていたという。

 最終回では、石川のシングルでミュージカル「キャッツ」のナンバー「メモリー」が歌われた。

 「最後は笑顔で終わった方がいいんだろうけど、やっぱり涙が出てきてしまって。まさかレギュラーになれるなんて思わないぐらいの大きな大きな番組で、私を起用してくださったこと、毎週出させていただけたことは本当に誇りに思います」

 一時代を築いた石川だが、87年にB型肝炎と診断され療養。その後も膠原(こうげん)病のシェーグレン症候群、変形性股関節症、副甲状腺腫瘍、神経鞘腫といった病と闘いながら活動してきた。今は「うまく病気と付き合っている」という石川を支えたのは、歌だった。

 「心も体も歌っている時が一番元気ってことは、元気の源は歌なんだな、私を押してくれるのは歌なんだなって感じですね。元気でいるためにも、逆に歌を歌うためにも、元気でいたいな」

 ここ10年ほどはコンスタントにコンサートなどの音楽活動を行っており、11月24日にはTOKYO FMホールでコンサートを開催する。

 「今回は(近年の)アルバム(の曲)もさることながら、デビューした頃の歌を歌ってみたり、カバーも歌ってみたり、さまざまな自分の声での歌が歌えたらいいな。そういう声も生かしながら今の私の歌も聴いていただきたいので、織り交ぜながら、色とりどりな感じで楽しいコンサートをやりたいな」

 今後の夢、目標を聞くと、石川は「このままの状態でずっと続けていけたら、いくつになっても何十周年になっても歌えていたらいいなって最近よく思う。歌える限り歌いたいな、一つ一つのステージを皆さまが楽しんでいただけるように明るく元気に歌っていきたいなという、ささやかな目標ですが、そんな感じです」と笑顔で答えた。

 成功も試練も糧に、石川ひとみは歌い続ける。

 ◆石川ひとみ(いしかわ・ひとみ)1959年9月20日生まれ、愛知県出身。77年、フジテレビ「君こそスターだ」グランドチャンピオン。78年デビュー。79年、NHK人形劇「プリンプリン物語」で主人公プリンプリンの声優に。81年、「まちぶせ」が大ヒットしNHK紅白歌合戦初出場。82~86年、NHK「レッツゴーヤング」司会。87年、B型肝炎発症。93年、デビュー時からギタリスト、作曲家、プロデューサーとして石川を支える山田直毅氏と結婚。2023年、45周年アルバム「笑顔の花」発売。病気と健康に関する講演会なども行っている。

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