異常な暑さで「百日ぜき」などの夏の感染症に新型コロナの感染者も増加 対策は「バランスの取れた食事」&「睡眠」

 今年は北海道で気温が40℃近くまで上昇するなど、全国で異常な暑さを記録しており、ここ数年の「酷暑」を超え、もはや「極暑」と言える状況となっている。例年以上に「夏バテ」や「熱中症」を訴える人が多い中、実は「百日ぜき」や「咽頭結膜熱(プール熱)」「ヘルパンギーナ」といった夏の感染症に加え、新型コロナの感染者も増加している。そんな今年の夏の現状や感染症を含めた対策を、東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科の寺嶋毅教授に伺った。

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 連日続く記録的な暑さ。冬に「極寒」という言葉があるように、これは「酷暑」を超えた「極暑」。そんな状況に寺嶋教授は「熱中症や体調不良で予約外や救急で受診される方が多い」と対応に追われているという。

 この「極暑」で、「熱中症」や「脱水」などリスクが高まっているが、ほかにも「夏バテで身体が弱っていると感染症、持病の悪化などリスクが高まる。糖尿病、心臓病など、特に高齢者、複数の疾患を抱えている人は、症状の悪化などさまざまな健康への影響が懸念される」と、さまざまなリスクを挙げた。さらにこの中で目立つ傾向にあるのが感染症の増加だ。

 一般的に感染症と言えば「インフルエンザ」など空気が乾燥する冬に流行するものが思い浮かぶが、実は「手足口病」「ヘルパンギーナ」「咽頭結膜熱(プール熱)」など夏に流行しやすい感染症もある。すでにニュースなどでも報じられているが、寺嶋教授も「コロナが少しずつ増えている」と話すように、今年はこれらの夏の感染症以外にも、「コロナ」「百日ぜき」の感染者数の増加が顕著だ。

 その原因。「要因はいくつかあるが、夏の暑さもその一つですね。熟眠できず疲れがたまる、疲れやすい、食が進まない、エアコンが効いた室内と屋外の温度差に体がついていかない、など“夏バテ”の症状が原因で体力が低下し免疫力が低下する。ということがあると思います」。

 さらに今年は6月の梅雨に雨が少なく暑い日が続き、夏本番前から暑い日が多かったことも大きいようだ。「日本(NIPPON)列島はNEPPAN(熱波ん)列島状態である。暑い日が6月くらいから続いており、時間的な(夏バテの症状の)蓄積の影響もある」と、今年特有の暑さが、夏バテを誘発し、それが体力の低下、さらに免疫力低下を招き、そこに追い打ちをかけるように感染症が拡大しているようだ。

 そんな状況下だけに、予防には、免疫力を維持、下げない日々の対策が重要となってくる。

 「バランスの取れた食事。あとは睡眠。質の良い睡眠を確保することが大事です」と二つの柱を挙げる。

 「バランスの取れた食事」に関しては「3食をしっかりとる。特に朝食です。みそ汁は塩分や水分を一緒に摂取することができます。さらにヨーグルトや発酵食品に含まれる乳酸菌には、腸内細菌のバランスを整え、免疫機能の維持・向上にも役立ちます」と説いた。特定の乳酸菌には、人を対象にした試験で感染症予防の可能性が示唆されているものもある。また「睡眠」に関しては「良質な睡眠のためにもエアコンの使用は26~28度くらいの設定で、直接風が当たらないお休みモードなどの機能を使いましょう。睡眠時間は大人の場合7~8時間を確保することが大事です」

 これらはすべて「免疫力対策」だけでなく、「熱中症」や「夏バテ」の防止にもつながる。無事、夏を乗り越えるためにも、まずはこれらの取り組みから始めてみては。

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