人気グループ・ＴＯＫＩＯが２５日、解散した。株式会社ＴＯＫＩＯが発表した。同社で取締副社長・企画を担当する国分太一（５０）がコンプライアンス違反を理由に、無期限の活動休止を発表していた。同社は解散の理由について「このたび、メンバーでお互いの意思を確認し合い、このような状態になった以上、グループとして活動して再び信頼をいただき、応援いただくことは難しいと判断した」と説明した。国分の活動休止発表から５日、デビューから３１年を迎えた国民的アイドルが、予想外の終焉を迎えた。

　電撃的なグループ解散となった。国分は２０日付ですべての活動休止を発表。同日に行われた日本テレビの福田博之社長の会見では、同局が定めるコンプライアンス憲章への違反があったとし、今年放送開始から３０年を迎える「ザ！鉄腕！ＤＡＳＨ！！」からの降板を発表。関係者によればセクハラに該当する行為があったというが、その詳細については「プライバシー保護」の観点から被害者の有無や問題となった言動については明かされず。複数の臆測が生まれる事態となった。

　解散という決断を下すにあたり、株式会社ＴＯＫＩＯに近い関係者によると、リーダー・城島茂（５４）と松岡昌宏（４８）がグループの今後について会談を持ち、２４日に解散を決定。この日の発表までには国分に通達し、了承されたという。今後は解散にともなって、株式会社ＴＯＫＩＯは廃業する見通し。現在残っている業務や関係各所との調整などを終えた後の手続きとなるため、一定の期間を要するという。

　これまで多くの試練に見舞われてきたＴＯＫＩＯ。城島、松岡、国分、山口達也氏、長瀬智也氏の５人で９４年にＣＤデビューを果たし、多くの楽曲を発表。ＮＨＫ紅白歌合戦には２４年連続で出場するなど人気を博した。だが１８年４月に山口氏が強制わいせつ容疑で書類送検され、同５月に起訴猶予になったことから、所属事務所が契約解除を発表。２１年３月には、長瀬氏が音楽、映画などの作り手側として活動したいとの理由でグループ脱退、事務所を退所した。

　それでも、残った３人は株式会社ＴＯＫＩＯを設立。グループの看板となっていた「ザ！鉄腕！ＤＡＳＨ！！」での長期企画で携わった農業や漁業などの１次産業への関わり、同番組の縁でつながった福島県の復興の取り組みを続けてきた。

　この日の発表では「今後につきましては、まずはご関係の皆様にお詫びとご挨拶をさせていただきながら、それぞれが自分自身と向き合い、これまでお世話になった皆様に対して貢献させていただくことができるとすれば何なのかを真撃に問い続けていきたい」と表明。そして「３１年間の長きに渡り、ＴＯＫＩＯに関わっていただいた全ての皆様に、心から御礼申し上げます。誠にありがとうございました」と結んだ。グループとして歩んだ歴史、取り組みに鑑みれば、あまりにあっけない終わりとなった。

　◇ＴＯＫＩＯ解散発表全文

城島茂、松岡昌宏、国分太一をメンバーとするグループ『ＴＯＫＩＯ』は本日をもって解散することにいたしました。

この度の国分太一によるコンプライアンスに違反する行動により、ご関係の皆様には多大なるご迷惑やご心配をおかけする事態となり大変重く受け止めております。改めて衷心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。

そして、このたびメンバーでお互いの意思を確認し合い、このような状態になった以上、グループ『ＴＯＫＩＯ』として活動して皆様から再び信頼をいただき、応援いただくことは難しいと判断したため、ここでグループとしての活動に区切りをつけることといたしました。

１９９４年のＣＤデビュー以来、ＴＯＫＩＯを応援してくださった多くのファンの皆様やご関係の皆様、私たちに活動の機会を与えてくださり、支えていただいたメディアの皆様やスポンサー企業の皆様、そして私たちの活動を温かく受け入れていただいた福島県をはじめとした地域の皆様には、突然のご報告となってしまったことを心よりお詫び申し上げます。

今後につきましては、まずはご関係の皆様にお詫びとご挨拶をさせていただきながら、それぞれが自分自身と向き合い、これまでお世話になった皆様に対して貢献させていただくことができるとすれば何なのかを真摯に問い続けていきたいと思います。

最後に、この３１年間の長きに渡り、ＴＯＫＩＯに関わっていただいた全ての皆様に、心から御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

２０２５年６月２５日

ＴＯＫＩＯ

　◆ＴＯＫＩＯ（トキオ）　１９９４年に城島茂、松岡昌宏、長瀬智也氏、山口達也氏、国分太一の５人グループとしてＣＤデビュー。日本テレビ系バラエティー番組「ザ！鉄腕！ＤＡＳＨ！！」では、福島県内で野菜などの栽培に取り組む。楽曲では「ＡＭＢＩＴＩＯＵＳ　ＪＡＰＡＮ！」（２００３年）や「宙船（そらふね）」（０６年）が大ヒット。ＮＨＫ紅白歌合戦は１７年まで計２４回出場。１８年に山口氏、２１年には長瀬氏が相次いで脱退。同年、城島ら３人で株式会社ＴＯＫＩＯを設立。