「料理の鉄人」など伝説番組手がけた小山薫堂氏が“究極の朝食”公開 材料から食器、場所まで妥協なきこだわり
動画メディア「通勤タイムス」で絶賛配信中の、各界の最前線を走るプロフェッショナルたちの、大切な朝のエナジーチャージに迫る動画「伝説の朝ごはん」。過去にはジャーナリスト・田原総一朗や筑波大学准教授・落合陽一氏らが出演。自ら食事を準備し淡々と食べ進める姿が反響を呼び、シリーズ累計で1億2千万回以上再生されている。
5月29日公開の動画には、「カノッサの屈辱」「料理の鉄人」「進め!電波少年」など、数々の伝説的番組に携わった放送作家・小山薫堂氏が登場。京都「下鴨茶寮」の主人として、食にも並々ならぬこだわりを持つ小山氏は、日々の朝食にもそのこだわりを反映させている。
ある日の朝。おもむろに冷蔵庫から、水に浸した白米が入ったボウルを取り出す。浸水時間は5時間。しっかり冷蔵庫で冷やすのがポイントだ。水を切ると土鍋に入れ、水を注ぐ。この時も冷水を使うと味が良くなるという。
炊き具合を音で確認しつつ、火加減を調整。米の芯まで熱を通すため、菜箸で空気穴をふさぐ徹底ぶりだ。米は出身地である熊本県の南阿蘇産コシヒカリ。ご飯の“お供”には、すっぽん出汁で炊かれた塩昆布、辛い油に漬けた麻婆風味の梅干しに、こちらも地元・熊本県産の塩、海苔のふりかけと珠玉の逸品を惜しげもなく用意する。
朝食を摂るのは、オリジナル茶室「妙庵」。「妙案が浮かぶように」と名付けられた。使用する土鍋は、一流料亭でも多く使用される滋賀・信楽の雲井窯製。茶碗は人間国宝・室瀬和美氏の作品、箸も10年使い続けている「江戸八角箸」と、食器も含めて環境選びにも妥協は一切ない。
炊きたてのご飯に、まずは塩をひとつまみ振りかけて一口。さらに塩昆布を米の熱で蒸らしながら口に運ぶ。無言で流れる至極の時間。隣の席には、自身がプロデュースした熊本県のマスコットキャラクター・くまモンのぬいぐるみを座らせるお茶目さが微笑ましい。
この日の朝食のこだわりを「京都で僕が好きな割烹のお店があるんですけど、そこの白米が本当にいつも感動するぐらいおいしくて。そのご主人に炊き方を教わりまして、それを家で再現するというのに最近凝っておりまして。それで今日は、入魂の白米がメインということでこれをいただきました」と説明した。
「食は最も人が生きていく上で大切なもので、その食を通して感謝の気持ちでいつもいただくわけですよね」と小山氏。「『いただきます』という言葉に、感謝の気持ちが常に皆さんこもると思うんですけど、食べる物の栄養とかおいしさだけではなく、その思いまでうまく多くの人に伝わっていけばいいなと」と信念を語る。開催中の大阪・関西万博でも、食をテーマとしたパビリオン「EARTH MART」をプロデュース。その主眼を「おいしさを伝えるというよりは、『ありがとう』と言う習慣を、自分の中に食を通して刻むという、それが一番の目的です」と力説した。
日本を代表するアイデアマンとして、世界にその名をとどろかせる小山氏。「朝は、ひらめきの時間ですね。色々な企画を考える時の多くは、朝ひらめきます。朝起きて、風呂の中でひらめくことが多いんですけども起きて数時間以内にパッとひらめくことが多いですね」という。その一助に、こだわり抜いた朝食によるパワーチャージがあることは、間違いないだろう。
