楳図かずおさんの天才伝説を後輩の漫画家たちが証言 「スリラー」のコピーが「マイケル・ジャクソンよりもすごいんじゃないかと」

 昨年10月に88歳で死去した漫画家・楳図かずおさんのお別れの会「楳図かずお サバラ!お別れの会」が28日、楳図さんが長年在住した東京・吉祥寺で開かれ、親交のあったタレントの中川翔子や漫画家の里中満智子氏、伊藤潤二氏、高橋のぼる氏ら約200人が出席した。後輩の漫画家たちは、楳図さんの天才ぶりを証言した。

 少女漫画の巨匠・里中氏は、楳図さんを「この世ならざる方というか、超越した方だった。唯一無二の存在だった」と表現した。

 1965年に少女漫画誌の編集部で初めて会ったといい、楳図さんが「へび少女」、「ママがこわい」などの恐怖漫画への保護者からのクレームを全く気にしない姿を見て「どこ吹く風で、動じないというか、『そう』だけで済んじゃう。信念を持っている人ってこうなんだなっていうことを教わりました。若かったんですけどとにかくフラフラしない、しっかりと立ってらっしゃる」と感じたことを回想した。

 楳図さんは音楽活動や映画監督など多才だったが、里中氏は楳図さんが自作自演したLP「闇のアルバム」や、楳図さんがマイケル・ジャクソンの「スリラー」の振付をコピーしたことを絶賛。「ものすごい説得力で、マイケル・ジャクソンよりもすごいんじゃないかと思っちゃって。漫画は一つの表現手段であって、その他いっぱい表現手段を持っていてフルにそれを出したいって。なんて才能なんだろうと思って驚きました。天才なんですけれども、惜しむことなくそれをエネルギーに変えて見せてくださった」と感嘆した。

 「土竜の唄」で知られ、楳図さんのアシスタントを9カ月間務めた高橋氏は、楳図さんを「超レア人間というか激レア人間」と表現した。

 「間近で天才を見られた」といい、具体的に「直接絵の指導を受けまして。一つのペン先で10種類以上の太さの線が描けると優しく教えてくださいました」、「先生は一切トレースはしない。散歩に行くと、瓦屋根の瓦の作りを一つずつ覚えるとか、テレビに出ているイタリアンのシェフの帽子がどういうかっこうをしているか、全部記憶して。自転車も構造上走れればいいって言うんですね。トレースなんかしないで書きなさいって。ホントに内から出てくるもので絵を描いていることを教わりました」と指導の例を挙げた。

 「うずまき」で知られるホラー漫画の第一人者・伊藤氏は、楳図さんに憧れて漫画家を志したといい、「生まれて初めて読んだ漫画が楳図先生の漫画で、生まれたてのアヒルが初めて接した人を母親と思っちゃうみたいな感じですね。第2の父親のような存在でした」と明かしていた。

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