藤岡弘、日本人で良かった 京都三大祭り「葵祭」に家族で登場 親子神が主祭神 下鴨神社で礼拝の大役
俳優の藤岡弘、(79)が15日、京都三大祭りの一つ「葵祭」に登場。下鴨神社で行われた神事「社頭の儀」に、女優の長女・天翔愛(23)、女優の次女・天翔天音(19)、モデルの三女・藤岡舞衣(17)とともに参列し、一般参列者代表として拝礼の大役を務めた。1500年近い歴史を誇る祭りに参加した藤岡は、「日本人で良かった」と感慨にふけった。
平安時代の装束に身を包んだ約500人の行列を待ち構え、紋付きはかま姿で堂々と神前に進み出た藤岡の姿に、参列客からは思わず感嘆の声が漏れた。
周囲を「糺(ただす)の森」と呼ばれる、緑深い森に囲まれた境内の厳かな雰囲気の中、拝礼を終えた藤岡は「日本人の心を深く感じさせていただいた。心にしみいるような空気感が響きました」と、感動とともに表情を引き締めた。
同神社は賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)と玉依姫命(たまよりひめのみこと)の親子神を主祭神としており、“藤岡ファミリー”として仲むつまじい父娘の姿がその神々に重なるとして、今回のオファーに至ったという。
これまで「葵祭」を訪れたことがなく「家族、親子での参拝を非常に楽しみにしていた」という藤岡。思い思いの着物で着飾った愛娘たちと時間をともにし「導かれたような、そんな感じがします」と、感慨深げに語った。
父の思いに、子どもたちも声をそろえる。愛が「何か懐かしいものが感じられて、自然と涙が流れてきました」と、感動を語れば、天音も「素晴らしい自然と歴史ある神社で、すごく清められた気持ちになりました」と満足げ。舞衣は「大切なものが身に染みて感じられた。父と一緒に、きょうだいで来られたことが本当にうれしい」と、笑顔を見せた。
参列後、藤岡は家族とともに境内の茶屋で炒った黒豆を使用した「まめ豆茶」や、明治時代まで葵祭で食されていた「申餅」も堪能。「日本に生まれて、日本人で良かったな、と強く感じた。伝統の中にある日本人の心を強く、強く感じさせてもらえた時間でした」と思いを込めて語った。
◆葵祭は下鴨神社と上賀茂神社の例祭。欽明天皇時代の6世紀に飢餓や疫病が流行し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈ったのが始まりとされる。7月の祇園祭、10月の時代祭と並ぶ京都三大祭りの一つ。この日は彩り豊かな平安装束姿のヒロイン「斎王代」ら約500人が、王朝絵巻さながらの行列で新緑の古都を歩いた。京都御所を出発し、下鴨神社を経て上賀茂神社への約8キロを進行。京都府警によると、約3万3千人の人出があった。
