大阪・関西万博 1万人の第九で幕開け 悪条件乗り越え響いた「歓喜の歌」 佐渡裕氏「世界に誇れる」
大阪・関西万博が13日、大阪・夢洲で開幕し、指揮者の佐渡裕氏が総監督を務める「1万人の第九 EXPO2025」がその幕開けを飾った。
午前9時、会場内のウオータープラザに佐渡氏が姿を現すと、朝から降り続いていた小雨もストップ。時折、日差しものぞく中、大屋根リングの上に上がった6595人を含め、10263人の参加者によるベートーヴェンの「歓喜の歌」が響いた。
大役を終えた佐渡氏は「もう本当にホッとしました。プレッシャーは非常に大きかったです」と、胸をなで下ろした。場所は屋外、しかもオーケストラから大屋根の合唱参加者まではかなりの距離。本番1週間前のリハーサルでも参加者同士の“音ずれ”が問題になったという。
さらにこの日は上空を報道各社のヘリが旋回。大きなプロペラ音も響いていたが、スピーカーとモニターを増やした対応が功を奏し、歌声のずれなどのトラブルはほとんどなかった。大屋根で歌唱していた参加者からも「集中していたので、ヘリは気にならなかった。佐渡さんは本当に晴れ男ですね」と、喜びの声が聞かれた。
「世界に誇れるものだと思います」と、胸を張った佐渡氏。「ベートーヴェンもびっくりしているんじゃないかな、文化が地球を飛び越えて、ヨーロッパの人たちにも驚きと喜びを届けられるものだと思います」と、困難を乗り越えた先の歓喜に浸った。
