歌舞伎俳優の片岡愛之助（５３）が４日、東京・歌舞伎座で開幕した「三月大歌舞伎」（２７日まで）で「通し狂言　仮名手本忠臣蔵」の大星由良之助役を演じ、舞台復帰を果たした。

　愛之助は昨年１１月２９日に舞台稽古中の事故で上顎（じょうがく）と鼻骨を骨折し、休演していた。この日は負傷の影響を感じさせず、歌舞伎では初めてとなる由良之助役を堂々と演じきって喝采を浴びた。

　愛之助はこの日が５３歳の誕生日だった。妻で女優の藤原紀香（５３）は「ただただ、きょうの日を迎えられたこと、お客さまの前でお芝居ができること、こうやって舞台に立てること、本当にありがたいことだと思います本当にうれしく思います」と夫の復帰を喜んだ。

　そして、「ご心配いただいた皆さまと、手紙などで声を寄せてくださった全国の皆さまに感謝しています」と、ファンや役者仲間、歌舞伎関係者からの励ましに礼を述べてていた。

　今回は松竹創業１３０周年を記念しての通し上演で、歌舞伎座での「－忠臣蔵」の通し上演は２０１３年以来。由良之助役は仁左衛門、尾上松緑、愛之助のトリプルキャストとなっている。

　仁左衛門が通し上演で由良之助役を勤めるのは２００９年の歌舞伎座以来で、その時は故十八代目中村勘三郎さんが塩谷判官役だったが、今回は勘三郎さんの長男の中村勘九郎が判官役で仁左衛門と共演している。