識者が分析 フジテレビ会見は「40点」 スポンサー対策なら「日枝氏出席した方が良かったのでは」

 会見する(左から)フジテレビの清水賢治新社長、遠藤龍之介副会長、港浩一社長、嘉納修治会長、フジ・メディアHDの金光修社長=27日
 日枝久氏
2枚

 元タレントの中居正広氏(52)と女性とのトラブルを巡り、週刊誌が社員の関与を報じた問題で、27日に10時間23分という長時間会見を開いたフジテレビ。世間の大きな注目を集めたが、事態打開へは至っていない。今後、同局がスポンサーらの信頼を回復していくために何が必要なのか。コーポレートガバナンスに詳しい駒澤大学経営学部の中川淳平教授に聞いた。

 日付をまたぐ異例の長さとなった会見。中川教授は「会見後もスポンサーがCM放映のキャンセルを解除するどころか、新たに見合わせる企業も出てきている」とし「40点」と採点した。

 評価できる部分を「国民の高い関心事に対し、オープンな場を設けて対応を図ったこと」とした一方で「第三者委員会の結果待ちという回答が多かったが、第三者委員の人選にあたり独立性の高さが確保されているのか、よくわからなかった」と指摘。「あまりに閉鎖的だった(17日の)初回会見よりは改善されたが、質問内容とかみ合わない回答が多い。事前に質問を予想して論点を仕分けておけば、もっとスムーズな受け答えができただろう」と改善の余地があったとした。

 会見にはフジサンケイグループ代表で同局の取締役相談役の日枝久氏が欠席。同氏の欠席理由や責任についての質問も相次いだ。中川教授は「会見を開いた最大の理由がスポンサー対策だとすれば、時間を限定してでも出席したほうが良かったのではないか」とし、出席できない事情があったとしても「臨時取締役会における新社長の選出プロセスも不透明なままであり、少なくとも声明文は発出すべきではなかったか」と指摘した。

 設置が決まった第三者委員会は、3月下旬をメドに具体的な提言を盛り込んだ報告書を提出する意向を示している。それまでに同局がすべきことについても言及。「4月以降の番組編成にあたり、スポンサー探しが必要になるが、これまでは広告代理店任せの傾向が強かった」とし「今後は個々の番組の趣旨に見合うスポンサー探しにあたり、主たるターゲットはどういう視聴者層か、視聴後にどのような効果が得られるのかスポンサーに丁寧に説明するなど、一般企業が行っているような地道な営業活動が必要となるだろう」と示した。

 今後、同局が回復軌道に乗るには何が必要なのか。「まず、フジテレビが策定している番組基準やコンプライアンスガイドラインが形骸化していないかどうかを検証すべき」とし「制作会社やエンタメ企業などとの活動のあり方を自主的に精査し、既にスポンサー企業が実質化させている取引先とのガイドラインを参考に、少なくともスポンサー各社の倫理規定のレベルに揃えていく必要がある」と促した。

 そのうえで「良質なコンテンツを制作できる人材、人脈を有しているうちに、地上波キー局が情報を寡占できる状況には無い現状を認めたうえで、新たな経営理念を打ち立てることのできる経営陣に刷新して、短期的な視聴率の推移に左右されない理解ある株主の獲得を他のキー局に先駆けて行うことがスポンサーの信頼回復につながるだろう」と分析した。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス