南野陽子「みんなで神戸を盛り上げたい」震災30年「語り継ぐことは経験した人の一つの役割」

 6434人が犠牲となった1995年の阪神・淡路大震災は17日、発生から丸30年を迎えた。甚大な被害を受けた神戸市長田区の大正筋商店街で行われた震災復興祈念フリーライブイベント「ONE HEART」には、女優、歌手の南野陽子(57)、阪神OBの掛布雅之氏(69)らがゲストとして登場。兵庫県伊丹市出身の南野は10年ぶりの震災関連イベント出演で、地震の被害を乗り越えた故郷への強い思いを改めて語った。

 壊滅的なダメージから30年を経て力強く生まれ変わった故郷の姿に、自然と目頭が熱くなった。1000人の来場者とともに黙祷をささげた南野は、感に堪えない表情で地元高校生らとともに復興シンボル曲「しあわせ運べるように」を歌唱。「本当に、皆さんの踏ん張ってきた、頑張ってきた画が浮かびました」と思いを口にした。

 ステージでは、自身の代表曲「楽園のDoor」も披露。歌唱を終え「私は兵庫県出身です。兵庫県が大好きです。愛しています。だから、これからもたくさんの方に足を運んでもらえる、誇れる街であってほしいと思います」と力強くあいさつ。「いろいろややこしい問題も兵庫県にはありますが…」とジョークも交えつつ、「そんなものをぶっ飛ばすぐらいの勢いで、みんなで神戸を盛り上げていきたいと思います。これからもみんなで頑張りましょう!」と呼びかけた。

 イベント前には、毎年被災者の慰霊を行っている神戸市中央区の東遊園地を訪問。ろうそくの火をともして犠牲者の冥福を祈った。「少しでも手を合わせられたらなと思って…。たくさんの方が、亡くされた大切な人に語りかけながら火をともされていたのが印象的でした」と話した。

 震災発生当日は東京にいたが、2カ月後に訪れた神戸の惨状は今でも脳裏に焼き付いている。「忘れたい人もいるだろうし、ピンとこない人もいると思います。でも、たとえ1人でも心に残っていくのであれば、語り継ぐことは経験した人にとって、一つの役割のようなものなのかなって」としみじみ語った。

 カレーの炊き出しにも参加して被災者とも交流し、「これからは少しでも、ご自分のために多くの時間を使ってほしい」とメッセージも。その上で「節目節目には、ちゃんと向き合う時間も大切。それがこの『1・17』なんだと。年に一度だけでもしっかりと振り返って、また新たに前を向くっていう“深呼吸”のような日になればいいなと思います」と言葉に力を込めた。

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