ボストンバッグの中に入り込み顔だけを出す芸風で人気を博したお笑い芸人のエスパー伊東（本名・伊東万寿男＝いとう・ますお）さんが１６日に死去したことが１７日、分かった。６３歳。東京都出身。突然の訃報に、エスパーさんを全国区にしたフジテレビ系のバラエティー番組「めちゃ×２イケてるッ！」ファミリーを中心に、悲しみの声が上がった。

　エスパーさんの所属事務所の代表で、ビートたけしのモノマネで知られるタレント・ビトたけし（６０）は、デイリースポーツの取材に応じ、死因等については、「後日改めて発表します」と話した。近年は施設で暮らしていたという。

　「高能力」を自称し、トレードマークの上半身裸に黒のタイツ姿でボストンバッグの中に入り込み、顔だけを出すカバン芸など、独特の芸風のエスパーさんは、１９８８年から放送された「めちゃイケ」に出演してブレークした。

　番組の元プロデューサーの「ガリタさん」こと明松功氏はＸに「エスパーさん。高速、高熱、激辛シリーズ、そして、爆裂鼻手袋、、、全てが最高でした。カッコよかったです」とエスパーさんの数々の芸を挙げて敬意を表し、「担当Ｄとして最前列で腹を抱えた瞬間は僕の宝物です。天国では、大技を成功させてくださいね。ありがとうございました」と感謝を伝えた。

　番組で共演したよゐこ・有野晋哉（５１）はブログで「この傷なんですか？『ラケットをくぐったときに出来た傷です』こっちの傷なんですか？『それは、、ラケットをくぐった時に出来た傷です』こっちの足の傷は？『ハンガーくぐった時に出来た傷です』身体の傷を聞くと、ほとんど覚えてる伊東さん」と懐かしみ、「お疲れ様でした」とねぎらった。

　エスパーさんは、カバン芸で股関節を酷使した影響もあり、２０１７年に右変形性股関節症と診断された。１８年１２月には「股関節の状態が悪く、芸を披露することができない」と休業を発表。その後、言語障害の症状があり「多発性脳梗塞」の診断も受けていた。

　人工股関節の手術を受けたが、収入がなく、生活保護を受けながらリハビリを続けている姿が１９年のテレビで放送されるなど、晩年は苦労も多かったエスパーさん。復帰への思いはかなわなかった。

　◆サンドウィッチマン・伊達みきお（ブログより）「我々がやっていたテレビ東京のパチンコ番組に、何度もゲストで来て下さいました。体調不良で休業されているとは聞いていましたが、まさかお亡くなりになられるとは。。驚いております。エスパー伊東さん、ありがとうございました！お疲れ様でした」

　◆電撃ネットワークの南部虎弾（Ｘより）「天才で変態で最高な人！！エスパーさんとの想い出　自宅にお邪魔した際、数々の書物　絵が最高に上手い！！！　イメージとは真反対な繊細な絵　これ程、ギャップの有る芸人は見た事無いです」

　◆鉄拳（Ｘより）「エスパー伊東さんが天国に行ってしまいました。僕はエスパーさんにとてもお世話になりました。営業も一緒によく行ったし、飲みにもよく誘ってくれました。本も一緒に出したなぁ。僕ははまだまだ元気なのでお会いする事はできませんが、またいつか遊びましょう」

　◇エスパー伊東（えすぱー・いとう＝本名伊東万寿男＝いとう・ますお）１９６０年１２月２６日生まれ。東京都出身。高能力芸人、結婚式芸人としての活動のほかに画家、アーティストの顔も。日本テレビ系「投稿！特ホウ王国」、フジテレビ系「めちゃ×２イケてるッ！」などに出演。２０１８年１月に芸能生活３０周年を報告していたが、股関節の不調により同年１２月に同年での芸能活動の休業を発表していた。