警視正がマッチングアプリで20代女性に性的暴行逮捕 なぜ「始末書」を書かせたのか?元刑事が解説

 現職の警察幹部がマッチングアプリで知り合った女性に性的暴行を加えたなどの不同意性交や強要の疑いで、7日、広島県警に逮捕された。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は8日、デイリースポーツの取材に対し、容疑者が被害女性に「始末書」を書かせていた理由などを解説した。

 県警によると、逮捕されたのは中国四国管区警察局の警視正、岩本幸一容疑者(58)=自称・広島市南区。

 今年9月30日、マッチングアプリで知り合った20代女性に対して広島市内のホテルで「(自分は)実は警察官。売春とかを担当する部署にいる。これは犯罪になる」などと言って脅し、性的暴行を加えたなどの不同意性交や強要の疑いが持たれている。岩本容疑者は当時、階級章の付いた制服を着用し、女性に見せていたという。

 岩本容疑者は「女性と会ったことは間違いないが、性交や強要はしていない」と否認。同管区警察局によると、同容疑者は今年3月に岡山県警から出向し、管区警察学校で指導部長を務めていた。

 小川氏は「本当に情けない。悲しいです。警察OBの私からすると、非常に稚拙で、本当に愚かだとしか言えない」と切り出し、手口について「警察官の制服を下に着ていたり、(性的暴行後に)『始末書』を女性に書かせていた」と説明した。この「始末書」の意味するところは何か。

 小川氏は「なぜ、始末書を書かせるかというと、自分が『不同意性交』という犯罪を犯している意識がありますから、警察に被害届を出されたくない。それで始末書を書かせた。おそらく、マッチングアプリで、なにがしかの金銭等の約束があったと思うのだが、それで“売春”を担当する部署にいると言ったのだと思います。始末書を書かせることで犯罪性を強く認識させ、女性が警察に飛び込まないようにしたのだろう」と解説した。

 同容疑者の経歴について、小川氏は「中四国の警察幹部が集まる警察学校の指導部長ですが、元々は岡山県警で警察署長を既にやっており、県警の生活安全企画課長も務めていた」と説明した。

 今回報じられた「警視正」は、警察組織において、警視総監、警視監、警視長に次ぐ階級となる。

 小川氏は「容疑者が岡山県警にいた当時の地方公務員から、警視正になると国家公務員になります。そういう立場でありながら、制服を着て犯行に及んでいた。さらに、私が取材したところでは、自分が警察官だと言って、同じような手口による被害相談や被害届が既に出されています。つまり余罪があるわけです。それについても、岩本容疑者と同一人物だろうということで捜査が進められています」と補足した。

 また、同氏は「現在は中四国管区警察局に出向してからの犯行だが、岡山県警時代の犯行(余罪)もある可能性がある。手口からして何度も同様の犯罪を犯している可能性が強いと思われます。これから、忖度無しの捜査を期待しています」と付け加えた。

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