「news23」コメンテーター、処理水放出「説得されない人たちもいる」と指摘「論理的」対応求める

 実業家の薄井シンシア氏が28日、TBS系「news23」に出演し、福島第1原発のALPS処理水について「説得されない人もいる」と指摘した。

 政府・東京電力が10月5日から2度目の海洋放出を行うと決定したというニュース。8月の放出では海水や魚類のトリチウム濃度について問題になるような値は出ていないという。

 時事芸人・プチ鹿島は、岸田文雄首相が8月21日に全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長と会談し、同24日に海洋放出が始まったことを疑問視。「この短さって当事者というか現場の方の声をちゃんと聞いてるのかなと」といぶかしんだ。メインキャスターの小川彩佳アナウンサーも「当事者の方とちゃんと向き合えているのかと」と続けた。

 ここで薄井氏は「もちろん当事者のみなさんの声はすごく大事なんですけど」と前置き。「このニュースを日本の中だけでフォローしているのではなくて、海外でフォローしていると、IAEAが大丈夫だって言っているし、エビデンスもいっぱい出してるし、当事者の気持ちはよく分かるんですけれども、ここは論理的にエビデンスを見てほしいかなっていう感じですね」と感情論にならないことが大切だと指摘した。

 プチ鹿島が「じゃあ地元の漁師さんとか、なんでちゃんと説明しないんですか」と直接の対話がないことに疑問を重ねた。政府は海洋放出について2018年に公聴会を開催したが、その後は開催していなかった。東電の公式サイトなどでは、処理水について詳しく説明している。

 薄井氏は「コミュニケーションって基本的に2wayだと思うんですよね。だから説得しようと思ってても、説得されない人たちもきっといると思うんです」と耳を傾けない人が一定数いると指摘。「やっぱりここはエビデンスに基づいて判断するのが政府の役割じゃないかなと思うんですね」とあくまで理論的に判断すべきとした。

 小川アナは「地元の漁師さんとしては原発事故以降ずっと苦労されて、売上を何とか取り戻そうと大変な思いをされてきた方々ですから、本当に不安を払拭していただきたい」とまとめた。ただ「不安」が処理水への安全性に対するものなのか、風評被害に対するものなのかは明示しなかった。全漁連の坂本会長は岸田首相との会談後に「処理水への安全性への理解が進んできた」とした一方で「風評被害の懸念があり、決して安心できない」などと語っていた。

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