「野菜+ヨーグルト」で栄養吸収率アップ!

 「野菜+ヨーグルト」で栄養吸収率アップ
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 原油・原材料価格の高騰や円安により、食品、生活用品、電気代、ガソリンなどの値上げに歯止めがかからず家計を圧迫し続けている。中でも、記録的な猛暑や大雨などの異常気象により品不足となり、価格高騰しているのが野菜だ。限られた量でしっかりと栄養素を摂取したいところだが、知らず知らずのうちに多くの人が栄養素を無駄にしているのはご存じだろうか。野菜には、酷暑を乗り切る上で欠かせない栄養素が多く含まれているからこそ、栄養素を効率よく摂取することができる“トクする食べ方”を案内したい。

 野菜には、私たちの健康に欠かせないカルシウム、鉄、カリウム、βカロテン、ビタミンなどの豊富な栄養素が含まれている。特に、夏の紫外線ダメージの回復に不可欠なのが、緑黄色野菜に多く含まれているカロテノイド。紫外線を浴びることによって、体内では活性酸素が発生し、肌の細胞にダメージを与え、皮膚の老化を進行させる。また、過剰な活性酸素の発生は、細胞の機能低下や組織損傷を引き起こすため、疲労感や倦怠(けんたい)感など身体的パフォーマンスの低下につながり、夏バテの症状の原因にもなり得る。この活性酸素の働きを抑制するのが、抗酸化作用のあるカロテノイドで、にんじんやかぼちゃに多く含まれているβカロテンのほか、トマトに豊富なリコピン、ほうれん草をはじめとした青菜に多いルテインなどがあり、どれも強い抗酸化作用を持つのが特徴だ。

 しかし、野菜を摂ったからといって、栄養素を全て吸収できるわけではない。さまざまな栄養素の中でも脂溶性のカロテノイドは、脂質に溶け込んだ状態で腸からリンパ管を通って、血液へと入っていくため、脂質と共に摂取しなければ基本的に吸収されることがないのだ。

 特ににんじんを生で食べたときのβカロテンの栄養吸収率は、10%程度だという。せっかく野菜を摂ってもその摂り方によっては吸収率が低くなってしまうというのだ。

 それでは、具体的にどのように摂れば、野菜の栄養素を効率よく摂取することができるのか。一般社団法人 日本野菜ソムリエ協会の調査によると、野菜に含まれる栄養成分の吸収率のいい食べ方の実践は、吸収率のいい食べ方を知る野菜ソムリエの方が「油で調理する・油脂が豊富なものと食べる」「腸内環境を整える」など多種多様な結果となり、一般生活者は「よく噛(か)む」、野菜ソムリエは「調理方法・食べ合わせの工夫」がそれぞれ1位に。吸収率をよくするための方法として、一般生活者が今日から実践したいことには、「腸内環境を整える」が上位にランクインした。

 最新の研究では、ヨーグルトと生野菜を一緒に食べると、ヨーグルトの発酵時に乳酸菌が作り出す「EPS(菌体外多糖)」と呼ばれる多糖体の作用により、野菜由来のカロテノイドの吸収率が向上することが明らかに。「野菜のみ」、「野菜+ヨーグルト(無脂肪)」を摂取した被験者の血中のカロテノイド濃度を測定した結果、βカロテンは1・8倍、リコピンは6・5倍も吸収率が高まることが確認された。つまり、ヨーグルトは栄養素を吸収しやすい腸内環境を作ると同時に、野菜に含まれる栄養素の吸収率を高めるため、一石二鳥の役割を果たしていると言える。

 昨今の健康志向に乗じ「野菜を積極的に摂ろう!」という意識が人々に根付き始めてはいるものの、野菜の価格高騰も相まって多くの人は、目標摂取量に届いていないのが現状だろう。ましてや、栄養吸収率の低い食べ方をしているとしたら、栄養素を無駄にしていることになってしまう。栄養素を無駄にしないためには、前出の通り、吸収率を上げることが何よりも重要。野菜の調理方法や食べ方・食べ合わせ・腸内環境の改善により吸収率を上げる、栄養素を無駄にしない“トクする食べ方”で、節約しながら、健康に欠かせない栄養素を賢く摂取しよう。

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