東大准教授、処理水の風評被害500億円補正予算「ナショナリズムに話をスライド」中国の反応は「外交の失敗」

 拓殖大学の富坂聰教授が17日、テレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」に出演し、福島第1原発の処理水の海洋放出について中国のスタンスを解説した。

 処理水に含まれるトリチウムは中国の原発が排出するものよりも少ないというデータが示されている。MCのビートたけしが一般的な中国人は自国の原発については「分かってないの?」と質問。東国原英夫が「分かってないでしょうね」と語ったが、富坂氏は「分かってますよ。上の方のいろんなことを理解してる人たちとか、都会の人とかそういう人たちは知ってるけど、いいかげんに騒いでる人も多い」と知識のある人もいると反論した。

 「上の方の人」の見解は「冷却水と今回の処理水は違うものだ」と解説。中国では「冷却水はゆで卵をゆでた水、処理水は途中で卵がはじけた水を」と説明されているとした。

 東京電力は処理水の放射性物質の含有量などのデータを公表しているが、富坂氏は「東電に対する信用がないわけですよ」とした。元衆院議員の宮崎謙介氏は東電は中国にも何度も説明しているとした上で、ALPSで放射性物質の多くは取り除かれているとした。富坂氏は「ALPSで本当に取りきれているのかという証明を中国の専門家を入れてやればいい」と返した。

 東京大学の斎藤幸平准教授は「中国とかが反対するっていうことを日本政府も分かってたわけですよね。それを説得できないまま流しちゃってるっていうのが外交の失敗」と科学ではなく外交の問題だと分析。富坂氏も「仰るとおり」と同意した。

 斎藤氏は国が漁業者支援に500億円の補正予算を付ける方針であることに「わたしたちの税金なわけであって、最終的には『食べて応援しよう』みたいな、外交のツケをナショナリズムで話をスライドさせて」と指摘。富坂氏は「本当に仰るとおり」と再度同意した。

 さらに東電の説明についても「放出するという前提でやられたら、そういう場所に行って『話を聞いたからあなたOKね』って言われても困るから『行きたくない』って言ったんですよね」と解説。「ALPSで本当に取りきれているのかという証明を中国の専門家を入れてやる」には中国側のハードルがあることも語った。

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