阪神アレまでM1 85年道頓堀で行方不明のあのカーネル像は今 呪い→奇跡の生還→激しい老朽化も変わらぬ笑顔
プロ野球・阪神の18年ぶりの「アレ」が目前に迫り、1985年のリーグ優勝時に虎ファンによって大阪・道頓堀に投げ込まれたケンタッキーフライドチキン(日本KFCホールディングス社)のカーネル・サンダース像に注目が集まっている。カーネル像は大阪市内のオフィスにひっそりとたたずみ、38年ぶりに地上で迎える阪神の「アレ」と「日本一」を待っている。
歴史を物語るように、表面ははがれ落ちてボロボロ、左手とメガネは失ったまま。カーネル像はリーグV直後に川へ沈んだため、阪神の日本一を一度も目撃できていない。
大阪が熱狂に包まれた85年10月16日、道頓堀店(現在閉店)にあった重さ約26キロのカーネル立像は、興奮したファンにより当時の主砲・ランディ・バース選手に似ているとして胴上げされた後、川に投げ込まれ行方不明に。2009年、道頓堀川の整備中に発見された。ドボン以来、阪神の成績が低迷しファンの間では「カーネルの呪い」とうわさされていた。
奇跡の生還を果たした後は「おかえり!カーネル」と名付けられ、幸福の象徴として大切に扱われた。10年からは甲子園球場近くの店舗で展示。優勝祈願に訪れる虎ファンもいたという。13年に東京の本社に“栄転”した後、17年に大阪へ凱旋(がいせん)。関西オフィスの入り口でケースに保管され展示されている。
現在は「動かすのが怖い」(広報担当者)というほどに老朽化。移動が難しく一般向け展示の予定はないというが、担当者は「私個人としては、日本一になった際には壊れるのを覚悟でどこかに出してほしいという気持ちもあります。カーネルの呪いではなかったんだぞ、と」と語った。
今年は阪神がマジックを減らすにつれ、像に関する取材が殺到。担当者は「(例年と比べて)ケタが違います」と注目度の高さを明かし、ファンの間で話題になることに「立像を思い出して、KFCというブランドを思い起こしてくれているのはすごくありがたい」と感謝した。
「今年はバースさんが野球殿堂入りされた。カーネル立像にとっても阪神さんにとっても、今年は特別な年なのかなと」。人気者は変わらぬ笑顔で18年ぶりの「アレ」の瞬間を待っている。
