タカラジェンヌを育成する兵庫県宝塚市の宝塚音楽学校が２９日、第１１１期生４０人の合格発表を同校のホームページで行った。６１２人が受験し、１５・３倍の難関を突破した合格者が、家族や関係者らと喜びを分かち合った。

　中学卒業の受験可能年を待ちに待っていたという井上侑香さん（１５）は、滋賀県大津市出身。地元の「草津歌劇団」で宝塚歌劇団ＯＧらの指導も受け、初受験で合格した。「やっと受験できる年になりました！歌うことが大好きなので、エトワールを目指したい」と大きな夢を掲げた。「憧れは（元雪組トップ娘役）真彩希帆さんや、（元花組トップ娘役）純名里沙さんです」と歌姫として鳴らしたトップ娘役の名を挙げた。

　福岡出身の平尾百合音さん（１８）は３度目の受験で合格した。今回が受験資格のラストイヤーだっただけに「昨年も（最終の）３次でダメだったので、すごく不安でした」と吐露。それだけに合格を知った瞬間「うれしくて、泣き叫びました」と照れたような笑顔を浮かべた。身長１６９センチで男役志望。憧れのスターに月組主要スターの鳳月杏の名を挙げ「ダンスもキレッキレで、歌も迫力があって、お芝居も素晴らしい。尊敬しています」と語った。

　また觜本ゆかるさん（１７）は地元兵庫県川西市出身。娘役志望で「ロングスカートやドレスが似合う娘役に。常に感謝できる舞台人になりたい」と目を輝かせた。憧れは、星組の新進娘役スターの詩ちづる。詩が入団する前に、一緒にレッスンを積んだことがあり「美しさはもちろん、お稽古への姿勢を学ばせていただきました」と学年の近い先輩に、憧れを抱いていることを明かした。

　合格した４０人の入学式は４月１５日。２年後の初舞台を目指し、舞台に必要な素養を学び、厳しいレッスンに励む。