扇千景“最後の花道” 岸田首相、仁左衛門ら政界・歌舞伎界など700人参列

 扇形に花が供えられた扇千景さんの祭壇(撮影・佐藤厚)
 扇千景さんの思い出を語る長男の中村鴈治郎(右から2人目)と次男の中村扇雀(左から2人目)、鴈治郎の長男・中村壱太郎(右端)、扇雀の長男・中村虎之介(左端)
 弔辞を述べる小泉純一郎元首相
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 9日に食道胃接合部がんのため89歳で亡くなった、女優で元参議院議長の扇千景(おおぎ・ちかげ、本名・林寛子)さんの葬儀告別式が27日、東京・増上寺光摂殿で営まれた。高円宮妃久子さまをはじめ、岸田文雄首相(65)、麻生太郎副総裁(82)、小泉純一郎元首相(81)ら、政界関係者の大物が続々と参列。さらに歌舞伎界から片岡仁左衛門(79)、坂東玉三郎(72)ら、芸能界からも加山雄三(85)、藤原紀香(51)といった大御所が参列し、計700人が故人をしのんだ。

 宝塚歌劇団で華々しくデビューし、女優としても活躍。歌舞伎俳優で人間国宝の故・坂田藤十郎さんと添い遂げ、政治家としては女性初の参議院議長-。華々しい経歴を誇る扇さんを送るべく、各界からそうそうたる面々が集まった。

 本葬に先立ち、遺骨を乗せた車が国会正門前を通過し、議員や関係者が整列して見送った。故人をイメージした白やピンクの花約3000本で“扇”形に作られた祭壇には、天皇陛下、上皇陛下からの花も供えられた。旭日大綬章、桐花大綬章、24日に叙されたばかりの従二位の勲章も並び、好物だったリンゴも積み上げられた。

 4人の首相経験者が参列する中、弔辞は扇さんを国土交通大臣に起用した小泉氏が担当。「女性が活躍される社会を目指し、その先頭に立って切り開いてこられた道には、続々と後輩達は続いております。政治家として全身全霊で走り抜けられた先生。改めて心から敬意と感謝を申し上げます。凜(りん)としたたたずまいは、決して忘れることはありません。どうかこれからは愛するご家族の元に安らかにお休みください」と読み上げた。

 喪主を務めた長男の中村鴈治郎(64)は「偉大な母だったと改めて認識しました。女優、政治家、女房、最後には母、間違いなく走り抜けた人生。今は大好きだった父のそばで喜んでいることだろうと思います。父の世界一のファンだったから」としんみり。生前に子供の幼稚園を紹介してもらうなど、家族ぐるみで親交があった加山は「つらいけど、お焼香させていただきました。お世話になりましたとしか言いようがない」と悲痛な思いを口にした。

 さまざまな顔を持ち、常に全力で人生をおう歌した扇さん。ハワイをこよなく愛した扇さんのために、原点である宝塚歌劇団を代表する楽曲「すみれの花咲く頃」のハワイアンアレンジが流される中、鴈治郎に遺骨を抱かれて“最後の花道”を通り過ぎていった。

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