元刑事が「ルフィは今村容疑者」証言を疑問視、極刑避けたい容疑者の「罪のなすりあい」を推測

 広域連続強盗事件で「ルフィ」などと名乗り、拠点のフィリピンから犯行を指示した疑いがある指示役4人が別の特殊詐欺事件に絡む窃盗容疑で2月に強制送還されて警視庁に逮捕された。4人のうち今村磨人容疑者(38)が「ルフィ」であるという関係者の証言が8日までに報じられたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏がデイリースポーツの取材に対し、現時点で「ルフィ」は今村容疑者1人とは断定できず、証言の背景に「罪のなすりあい」的な思惑があると推測した。

 広域強盗事件の指示役とみられている逮捕者は、今村容疑者のほか、渡辺優樹(38)、藤田聖也(38)、小島智信(45)容疑者の4人。

 小川氏は「今回の『ルフィは今村容疑者』という話は同じ収容所にいた人物の情報だと思いますが、私が以前取材した同収容所にいた人物らに聞くと、今村容疑者だと言う者もいれば、渡辺容疑者だと言う者もいて、私的には『ルフィ』という名前を使っている者が複数いると考えています」と、1人には限定できないという見解を述べた。

 では、こうした不確定の証言が出てくる背景には何があるのか。

 小川氏は「(逮捕された指示役とみられる)4人の中で、まだ明確な仲間割れではないが、いろんな話が飛び交うようになっている。例えば、今村容疑者と渡辺容疑者が会話している動画が4人の逮捕後にメディアに出ています。この動画は誰が何のために撮って、誰が出したのかという事で言うと、そこに今回、『今村容疑者がルフィ』と証言した者が関与しているという話を私は聞いていますので(強盗容疑を)今村容疑者に背負わせようとしている思惑も考えられる。渡辺、小島の両容疑者は最後まで収容所の同じ部屋にいたということで逮捕後のことを話し合った可能性もあり、そこのところは警察も分かって捜査を進めていると思います」と解説した。

 さらに、同氏は「今村容疑者は磨人(きよと)からKをとって『K箱』と称する特殊詐欺グループのリーダーとして『かけ子』のまとめ役だったが、渡辺容疑者はその上にいる指示役で、その右腕が小島容疑者。私はかけ子に取材しているが、小島容疑者にリクルートされたという者も実際にいるわけです。金の管理、リクルーターなど役割が徐々に変わってきている」と組織での役割が限定できないことを付け加えた。

 その上で、小川氏は「渡辺容疑者ら4人の指示役の上に『首謀者』がいると思っています。実際、この首謀者の親族の自宅に警視庁は既に家宅捜索に入っています。さらに、この首謀者の上に『本当の黒幕』がいてもおかしくはないと考えています」と指摘した。

 小川氏は「今回のように『ルフィ』や『Kim』が誰だといった話が出てくるのも、容疑者たちが狛江の(強盗殺人)事件に絡みたくないからではないか。狛江の事件で自分の名前が出て逮捕、起訴されると極刑が待っている。小島容疑者が『詐欺には関与しているが、強盗事件は知らない』といった供述をしているのもそこです。詐欺だと複数の事件で起訴されたとしても十数年の服役ですが、強盗殺人事件だと死刑か無期懲役。ですから、そういうところで罪のなすりあいが始まると思っています」と今後の行方を想定した。

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