歌手・近藤真彦（５８）が３日、ライブツアー「Ｍａｓａｈｉｋｏ　Ｋｏｎｄｏ　Ｌｉｖｅ　Ｔｏｕｒ　Ｍ５Ｋ８　Ｆｉｎａｌ－Ｅｐｉｓｏｄｅ」の東京・中野サンプラザ公演を開催した。今年７月２日に閉館する同所で、自身最後となるステージ。１９８７年１月１０日のコンサートから、計５０公演以上も立ち続けた思い出の地で、別れの熱唱を届けた。

　２３００人の黄色い声援を浴びた５８歳は、ちゃめっ気たっぷりに呼びかけた。「きょうのオレの目標。みんなを１０代、２０代のころに戻します！」。デビュー曲「スニーカーぶる～す」をはじめ、「ギンギラギンにさりげなく」、「ブルージーンズメモリー」など歌謡史を彩った代表曲を中心に、計２５曲を披露。歌手人生とともに歩んだ“聖地”に、惜別の熱唱を届けた。

　元号がまだ「昭和」だった１９８７年１月１０日から、「令和」となったきょう４日の公演まで計５０公演以上を開催。「正直、なくなると思って仕事をしたことがない。今日もリハをやっていて、閉館はやめてほしいっていうのが本音。音響が良くてね」。回数を重ねただけでなく、折に触れ、自身の節目に寄り添ってきた。９３年にはファンに結婚を報告。ジャニーズ事務所から独立後初の２０２１年１１月のコンサートも、この場所を再出発の地に選んだ。

　忘れられないのは、８８年８月に上演された主演舞台「イダマンテ」に、親交のあった美空ひばりさんが駆けつけてくれたこと。ひばりさんが死去する前年だった。「楽屋にも来てくださって…。昭和の大スターにお会いできたことは、僕の中での財産」と歴史の重みを改めてかみしめた。その部屋も、当時から変わらず、今も使用している。「独特の香りがして…。思い入れがあるよね」としみじみ話した。

　２０２５年をメドに新たなホールに生まれ変わるが「戻る気満々。必ず戻ってきます」と宣言。７月のバースデーライブ開催を新たに発表した近藤は「トライアスロンと同じ。あるときは泳ぎ、あるときは走る。あるときはこぐ」と、なおも歌手活動にまい進していくことを誓い、「還暦の頃に何かデッカイことをやりたい」とプランを描いた。