職人魂宿る「Get Ready!」 妻夫木聡主演ドラマ 「ここまで大きい特殊造形は最初で最後」美術スタッフ

 闇医者チームの暗躍を描く俳優・妻夫木聡(42)主演のTBS系ドラマ「Get Ready!」(日曜、後9・00)が、異色の世界観で話題を集めている。各話のクライマックスで舞台となるのが、独特な存在感を放つオペ室。総費用1000万円超えの特殊造形は、いかにして誕生したのか-。セットに潜入し、美術スタッフを直撃すると、職人たちの魂宿る“Get Ready(準備)”が見えてきた。

 無影灯で怪しく照らされた漆黒のオペ室に、最新鋭の医療機器が並ぶ。各話の手術内容に合わせて機器は変わるが、すべて本物。関係者は「何かあったら、ここで実際に手術できますよ」と明かし、隣の医療監修スタッフがうなずいた。

 天才的な腕を持つ執刀医の通称・エース(妻夫木)率いる闇医者チームが、患者たちに命の意味を問う「Get Ready!」。象徴的な舞台となるオペ室の手術台は、甲虫の背のようなカバーが広がりながら上昇することで現れる。

 この重量250キロほどの通称・カブトムシは、総費用1000万円を超える特殊造形。美術デザイナーの野中謙一郎氏は「外車1台(の費用)じゃきかない。ここまで大きい特殊造形をドラマで作るのは初めてですし、最初で最後だと思います」と説明する。

 演出する堤幸彦氏との打ち合わせで当初から「黒いオペ室」「SF的な要素を入れる」などのテーマが提示される中で、やはり「広がる」と「上がる」の2つの機工を必要とするカブトムシの実体化は困難なミッションだった。

 美術ディレクターの羽染香樹氏はイメージを伝えられた時を振り返り「最初、聞こえないふりをしました」とおどけつつ「閉じているものと開いているものを作って、間をCGで作ることもできたし、スケジュールがあるので監督も『それでいいよ』と言っていたんですが、なかば意地で作りました」とプロ魂をにじませる。

 タイトなスケジュールの連ドラだけに、本来なら半年かかるものを、結果的に1カ月ほどで完成させた。だが、羽染氏は「荒技ですが、作品の肝。手は抜けないですよね」ときっぱり。特殊造形、電飾、ライト、昇降の機工…と各セクションの腕利きたちがフル回転し、チームワークで納期までにこだわりの逸品を作り上げた。

 ドラマの舞台裏でも展開された職人たちの“Get Ready(準備)”。完成形を見た堤氏は「素晴らしい!」と感嘆の声をあげたという。

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